日銀は先週、予想外の金融政策修正を決めた。今のところ世界の金融市場にそれほど波紋は広がっていないが、円相場にはさらなる不確実性をもたらす動きだといえる。不確実性は最終的に、世界の投資家が選好する取引を反転させる可能性がある。日銀は7月28日、10年物国債利回りの変動許容幅の上限を1%に事実上引き上げた。従来の上限である0.5%は「めど」だとした。イールドカーブコントロール(YCC、長短金利操作)政策はいずれ修正されると考えられてはいたものの、急な変更に投資家は不意を突かれた。27日に日本経済新聞が政策修正の可能性について報じると、世界の債券・為替市場は一時大きく動いた。だが翌日、日銀が実際に政策修正を発表すると、市場はすぐに落ち着いた。円相場は現在、1週間前よりも円安・ドル高になっている。