事実、東大などの難関校に受かるような人は、たいてい一般的な勉強法に忠実です。
できる人だからと言って、何か特殊な勉強法をやっているわけではない。勉強法については、長年の蓄積によって、だいたいの最適解が見つかっています。
それなのに多くの人は、自力で「勉強法」の答えを導き出そうとしてしまう。でも、それはいわゆる「車輪の再発明」にすぎないのです。
一方で「がんばって量をこなせば、質も上がっていく」「だから、まずはとにかく量をこなすべきだ」という考えの人もいます。
でも、そもそも自分でがんばって量をこなさなくても、すでに質のいい方法論が、世の中にはたくさん出回っています。
いくらかっこつけて「量をこなせば質が上がる」などと言ってみても、すでに前世代の人が量をこなしてくれたおかげで、もう十分に質は上がっています。あなたひとりがいくら量を増やしても誤差にもなりません。
少し極端ですが、簿記の資格試験の勉強のために、自己流で財務諸表を読もうとしても無理です。その状態で、ただ量をこなしても時間を浪費するだけです。
それよりも、書籍を読んでみたり、試験の過去問を見たりする方が圧倒的に有益です。
すでに先人が時間と労力を惜しみなくつぎ込んで導き出した方法があるにもかかわらず、自力で解法を思いつくまでがんばるのは、あまりにもムダが多いのです。
たとえば、「英語の学習の世界」にも方法論はあります。
英語には「第二言語習得研究」という学問分野があります。その分野では、「人はどのようなしくみで外国語を身につけていくのか?」ということを、世界中の優秀な学者が、熱心に労力を投入して、研究しています。
この知見を活用すれば、英語を身につけるのに現段階で最も効率的だと思われている方法がわかります。
ここまで言えば、他の人の成果に頼らずに、すべて自力で勉強することに意味がある、という方はもうほとんどいないのではないでしょうか。