「勉強」するにあたって、苦手なことに関しては、他者に任せて外注してしまおう、と最近出版された『9割の「努力」をやめ、真に必要な一点に集中する勉強の戦略』(朝日新聞出版)の著者・岡健作さんはいいます。差し当たって、「勉強法」は、自分で組み立てるのではなく、昔から培われてきた王道の勉強法に頼ることから始めましょう。「ぼくが考えたさいきょうの勉強法」などは不要です。さらに詳しいことを同書から一部抜粋、再編集してご紹介します。
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力になるなら、人でも機械でも頼るべき
外注化とは、「苦手なことや手が回らないことを、他者に任せること」と、ここでは定義しておきましょう。
一方で、「人に頼るなんてズルい」「自分でやることにこそ意味があるんだ」という考えをお持ちの方が一定数いることは、私も理解しています。
でも、「なんでも他人に頼らず、一人でやらないといけない」というのは、思い込みです。だって、そもそも私たちは、普段から他人に助けられて生きています。
電車や電気、ガスを使えるのは、誰かが裏で支えてくれるおかげです。自分の力で電車を運転したり、発電したりすることはできませんよね。できたとしても、電車を作ったり、原油を掘削したりすることはできません。
普段からみんなで力を貸し借りしながら生きているにもかかわらず、勉強に限って「他人に頼ってはダメだ」なんて、よく考えたらおかしな話です。
しかも現代では、大変ありがたいことに、外注できる先は「人」以外も可能になっています。たとえば、苦手な掃除をルンバに頼んだり、面倒くさい洗濯をドラム式洗濯機に頼んだり、人工知能をもちいたプログラムにさまざまな作業をやってもらうことは、まさしく立派な「外注」の一例です。
勉強法には、知見が蓄積された「王道」がある
勉強の場合、まず外注化するべきことは「勉強法」それ自体です。
勉強法は新たに自分で考えた方法よりも、すでに確立されている方法が効果的な場合が多いのです。