ところが両県とも「幸福度」の点数は下がっている。前年の結果は沖縄県は77.4点、鹿児島県は75.4点。なお、47都道府県の平均は68.3点で、前年の70.1点より低下している。47都道府県中で上昇したのは5都県に過ぎず、逆に低下したのは41道府県だった(1県は変化なし)。 

※「幸福度」は、「あなたは幸せですか」という問いに対し、「とても幸せ」「少し幸せ」「どちらともいえない」「あまり幸せではない」「全く幸せではない」の5段階で評価してもらい、それぞれ100点、75点、50点、25点、0点で加重平均した。47都道府県の平均は68.3点。

 全体の幸福度が下がった原因について、ブランド総合研究所の田中章雄社長は次のように語る。

「本来であれば、コロナ禍が終息に向かうことで幸福度は上昇しそうですが、実際には下がっています。今回の調査では住民の悩みについて聞く設問がありますが、その中で『物価上昇』の悩みがこの2年間で急激に高まっています。一方で、コロナ禍の影響による収入減や低賃金などの悩みを感じる人も増えていることが、原因となっている可能性があります」

 こうした中で熊本県は72.3点と、前年の68.4点から3.9ポイントも上げ、順位も35位から3位へと大きくランクアップした。

住民が感じる「幸福感」の正体
“復興”がキーワードに

 2016年4月に発生した熊本地震。大きな被害を出し現在も復興に向けた取り組みが行われている。田中社長は、「熊本県の復興状況がこのランキングに影響しているのは間違いありません。つまり住民は『復興』によって明るい未来が見えてくる。それこそ『幸せ』につながるのではないでしょうか」としている。