佐藤優氏佐藤優氏 Photo by Shogo Murakami

人を採用する際に、本当に優秀な人見極める方法はあるのか。元外務省主任分析官で作家の佐藤優さんに、優秀な人かどうかが確実に分かる「とっておきの方法」を聞いた。(作家・元外務省主任分析官 佐藤 優)
※本稿は動画「佐藤優 謙虚な人の戦略書」の一部を抜粋・編集したものです。

どんな人か判断する上で
見た目も重要

 人を見るとき、見た目も重要です。たとえば、ユニクロの服を着ているんだけれど、鞄(かばん)だけがルイ・ヴィトンのブランド品だとか、極度にちぐはぐでアンバランスな感じが出ている場合はやっぱり非常に不安になりますね。この人はどういうことを考えていて、どういう価値観を持っているんだろう、と。

 だから印象に残るために採用面接で奇怪な格好をする人がたまにいますが、それはやめたほうがいい。ある出版社の採用面接に、服装自由だからと着流しを着て居合刀を差してきた人がいたそうですが、即不採用にされたそうです。

 外務省にいましたが、ネクタイを2本つけてくる人とかね。興奮するとネクタイを2本つける人だったのですが、橋本龍太郎さんが総理の時にネクタイを2本つけて首相官邸に行って、そしたら橋本総理がビビってしまった。鈴木宗男さんに「ちょっと(彼を)来ないようにしてくれ」「俺は気が弱いから」と橋本総理が言ったそうです(笑)。

 やっぱり相手を不安にさせるような格好は避けた方がいいでしょう。

 また、採らないほうがいい人を見極めるためには、「はい」か「いいえ」で答える地雷質問を用意することです。「私は能力が傑出している」とか「他の人間は私の言うことだけ聞いていればいいと思います」という質問に、「はい」と答えるような人は採らない方がいい。

 一方で高い能力と優れた人間性を兼ね備えた、飛びぬけた人材を採用するときにはどんな方法が有効なのか。