4位以下は、三重県(71.7点)、大分県(70.9点)と続く。三重県は前年の10位から、大分県も15位から上昇している。また本調査では、東京都を含めた関東圏の順位上昇も際立つ。
東京都(67.8点)は前年の46位から28位に、神奈川県(68.5点)は同45位から22位、千葉県(66.2点)は同44位から40位となっている。「首都圏はコロナ禍の際に大きく順位を落としていました。感染者数が多く、観光の自粛などの影響も大きかったと思います。それが、都会回避や地方移住につながっていました。コロナ禍が終息を見せる中で、そうした状況から復興してきた(戻ってきた)のでしょう」と田中社長は指摘する。
コロナ禍後の取り組みを
積極的に情報発信すべき
では、自分たちの幸福度を上げるためにはどうしたらいいのだろうか。田中社長は次のように語る。
「幸福度というのは、個人的な要因が大きく影響するものと思われています。ところが、今回の調査結果を見る限りは、物価上昇や地域の疲弊などの“まち”に関する悩みも大きく影響していることがわかる。つまり、こうした“まち”のマイナス要因を少なくすることで、住民が幸福を感じやすくなるということです。もちろん“まち”によってマイナス要因は異なっているため、各地域は自らの地域のマイナス要因を分析し、それを軽減することが重要になります」
コロナ禍というマイナスがあったからこそ、これからの復興によって、住民の幸福度は大きく変わっていくだろう。住民不在の復興計画ではなく、住民が明るい希望を持てるような復興計画であることが重要だ。すなわち、苦難があるからこそ、幸福を感じることができるのではないだろうか。
(フリーライター 西嶋治美)