パキスタンが湾岸諸国から巨額の投資を獲得しようと交渉中だ。パキスタンが財政安定のために外貨を必要とする一方で、石油マネーで潤う湾岸諸国は経済の多様化と世界における影響力の拡大に動いている。事情に詳しい関係者によると、サウジアラビア政府はカナダの金鉱大手バリック・ゴールドがパキスタン西部で70億ドル(約1兆円)をかけて開発中の銅鉱山を買収する方向で交渉している。これとは別に、パキスタンと湾岸諸国の当局者によると、サウジの製油所をパキスタン国内で建設する交渉も進んでおり、建設費用は最大140億ドルに上る可能性がある。こうした取引は、湾岸諸国がパキスタンやエジプトといった財政難の国々に融資や資金援助を提供してきた従来の方針を転換し、政府系ファンドのための資産取得に注力するようになったことを示している。