韓国で長く読まれている勉強の本がある。日雇い労働をしながら4浪の末、ソウル大学に首席で合格した『勉強が一番、簡単でした』(70万部)。韓国では「受験の神」と称され、勉強に携わるもので、その名を知らない人はいない。日雇い労働者からソウル大学首席合格者になるまで、人生の大逆転を成し遂げた、韓国で知らない人はいない奇跡の物語。読後、モチベーションが高まり、勉強したくなる自分に驚くはず。超ロングセラー本『勉強が一番、簡単でした』から、その驚くべき内容を紹介する。

合否を左右する「正しい受験戦略」Photo: Adobe Stock

受験生活はマラソンではない。
最初から最後まで全力で

 ソウルでの受験生活を諦めて故郷に戻った私は、前回に少しだけ通ったイルシン予備校の門を叩いた。内申点は並程度だったが、前回の修能試験で175点を取ってソウル大法学部を志願した経歴が認められたのか、すんなりとソウル大クラスに入ることができた。

 ところが、実際に予備校の掲示板に貼り出されたクラス名簿を見ると、私の名前は「文ソ2クラス(文系ソウル大2クラス)」に入っていた。このクラスは名前こそソウル大クラスだが、本当にソウル大を志願する実力のある学生だけが入っているのは「文ソ1クラス」だった。

 ともあれ、自分がやるべきことをやって頑張ればいいのだと、気を取り直した。ところが開講初日、固い決意と多少の期待を抱いて予備校に行ったのに、先生と級友たちの顔合わせが終わると、そのまま帰ってよしと言うではないか。自分だけでも教室に残って勉強したかったが、ドアを施錠するからと追い出されてしまった。

 受験生活は、しばしばマラソンに例えられる。1年近い期間を一瞬も気をゆるめず全力疾走することはできないため、序盤はゆっくり準備運動しながら体を慣らし、次第にスピードを上げていくのがいい。それでこそラストスパートで全力を振り絞り、勝負を賭けることができる、というわけだ。

 マラソンではそれが正しいのかもしれないが、勉強に関して言えばその戦略は間違っている、というのが私の考えだ。最初から脇目も振らずに机にしがみつき、その生活を完全に習慣化して最後まで頑張るべきだ

 最初からのんびりやっていては、最後までエンジンはかからない。少なくとも、私はそう思う。そうやって序盤から全力投球したおかげなのか、3月末の最初の模擬テストで、私は(当時の制度の200点満点中)175点を取った。先生たちも驚いた様子だった。

(本原稿は70万部のベストセラー『勉強が一番、簡単でした 読んだら誰でも勉強したくなる勉強法』から一部抜粋したものです)