コアCPI上昇率、7月は3.1%
2%物価目標、16カ月連続上回る
コア消費者物価指数(以下、コアCPI。生鮮食品を除く総合)の上昇は、2023年1月に前年同月比+4.2%とピークを打った後、エネルギー価格下落や政府の物価高対策を主因に鈍化している。
だが8月18日に公表された7月も同+3.1%と、昨年9月以降11カ月連続で3%以上の高い伸びが続いている。
日本銀行が掲げる物価安定目標の2%は16カ月連続で上回っている。
食料品を中心としてこれまでの輸入物価上昇によるコスト上昇分を販売価格に転嫁する動きが継続していることが背景にある。
4月の年度替わりのタイミングで値上げの動きが広がったほか、6月には電気代が値上げされたことが、直近でもCPI上昇率が高水準で推移している要因だ。
バブル崩壊後の日本では、経済停滞や物価が上がらない状況が長く続く中で、消費者は物価は上がらないもの・上がるべきでないものとの考え方や、物価上昇時には少しでも安い価格の店で買うといった行動(節約意識)が定着し、企業もこうした消費者の姿勢に対応する形で価格据え置きや値下げなどで対応するノルム(社会的規範)が定着してきた。
だがコロナ禍からの経済回復やウクライナ戦争などによる資源価格などの高騰を背景に、多くの企業が販売価格への転嫁に踏み出し、消費者も値上げを許容しているかのような状況になりつつあるようにみえる。
家計や企業のノルムが変わったという指摘も出ている。果たしてそうなのか。