酒井才介

酒井才介

みずほリサーチ&テクノロジーズ株式会社 調査部チーフ日本経済エコノミスト

2006年東京大学経済学部卒業、財務省入省。2017年みずほ総合研究所(株)入社、経済調査部配属。現在は、みずほリサーチ&テクノロジーズ(株)で日本経済の見通し総括を担当。主な著書に『経済がわかる 論点50 2022』(東洋経済新報社、共著)など。

トランプ25%関税は日本の実質GDP「0.4%」程度押し下げ、景気後退入りリスク高まる!?
酒井才介
トランプ政権は、日本への「25%」など14カ国に新たな関税率を通告した。相互関税引き上げ猶予の期限を実質的に8月1日に延期することで譲歩を求める戦略とみられるが、発動となれば関税による対米輸出減少で日本の実質GDP(国内総生産)は1年間で0.4%程度下押しされる。設備投資や雇用所得へ下押し影響が波及すれば、景気後退入りのリスクが高まることに注意が必要だ。
トランプ25%関税は日本の実質GDP「0.4%」程度押し下げ、景気後退入りリスク高まる!?
トランプ禍で4~6月期「マイナス成長」濃厚の日本経済、それでも26年春闘“高賃上げ継続”が期待できる理由
酒井才介
日本経済はトランプ関税の影響が逆風となり、4~6月期も1~3月期に続きマイナス成長の可能性がある。ただ、既往の原油安で輸入コストが抑制されることで企業収益は高水準を維持し、サービス業などの強い人手不足感のもとで賃上げ機運は継続、来年春闘は4%台半ば以上の賃上げが期待できる。この流れを確認すれば、日銀は2026年年初にも利上げを再開するだろう。
トランプ禍で4~6月期「マイナス成長」濃厚の日本経済、それでも26年春闘“高賃上げ継続”が期待できる理由
コメ高騰などで25年度の家計負担「8.7万円増」、懸念は“トランプ不況”の追い打ち
酒井才介
コメや生鮮野菜を中心とした食料インフレなどで2025年度の家計の支出負担増は前年度から8.7万円程度増加が見込まれる。春闘は2年連続で5%台の賃上げ率になり、実質賃金前年比は7~9月期にもプラス転化する見通しだが、物価高の継続で25年度は+0.4%程度の伸びにとどまるだろう。物価高が家計消費の重しになっている構図は変わらず、経済の好循環の実現は道半ばだ。
コメ高騰などで25年度の家計負担「8.7万円増」、懸念は“トランプ不況”の追い打ち
25年春闘は高賃上げ見通しも、「人手不足下で実質賃金低迷」の看過できない深刻度
酒井才介
今春闘は昨年並みの高水準が見込まれるが、実質賃金は2022年以降の物価上昇分を取り戻せない見通しだ。背景には企業の「メリハリ賃上げ」による労働分配率の伸び悩みや人手不足業種のデジタル投資不足による生産性低迷があるが、「人手不足下での実質賃金低迷」は需要・供給両面から日本経済の成長力を弱め、縮小均衡をもたらすリスクをはらむ。
25年春闘は高賃上げ見通しも、「人手不足下で実質賃金低迷」の看過できない深刻度
日銀追加利上げの“損得”は?金利0.25%上昇で家計「年0.6兆円」プラス、企業利益は1%減
酒井才介
日本銀行の0.25%Ptの追加利上げで、家計は預金利子収入の増加が住宅ローンの利払い増を上回り、全体で年間0.6兆円プラス影響が生じる一方、企業の経常利益は円高進展の影響も含め全体で▲1%押し下げられる。政策金利は0.5%と17年ぶりの水準だが、2025年度末には1%に達する可能性が高い。「金利のある世界」への備えが求められる。
日銀追加利上げの“損得”は?金利0.25%上昇で家計「年0.6兆円」プラス、企業利益は1%減
「103万円の壁」見直しで24年度巨額補正予算成立、“日本版トラス・ショック”リスク否定できず
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「103万円の壁」引き上げなどを条件に野党の一部が賛成に回って2024年補正予算案が成立した。規模ありきの経済対策や減税で財政健全化目標の達成はほぼ絶望的な状況だ。政権基盤が弱体化する中、財政規律は確実に弱まっており、長期金利急騰(国債価格急落)・円安といった「日本版トラス・ショック」のリスクが懸念される。
「103万円の壁」見直しで24年度巨額補正予算成立、“日本版トラス・ショック”リスク否定できず
【無料公開】ヒト・モノ投資5%増で低生産企業の“退出”は年1800件増、優勝劣敗の「倒産復活」時代
酒井才介
人手不足の深刻化、資本効率化要請の強まりなどの環境変化で低生産性企業は退出を迫られる。高賃上げやバブル期に迫る2桁増の設備投資計画はその流れが始まったことを感じさせる。コロナ禍などで保護された時代から企業の優勝劣敗・二極化が鮮明になるだろう。
【無料公開】ヒト・モノ投資5%増で低生産企業の“退出”は年1800件増、優勝劣敗の「倒産復活」時代
石破色“後退”の総選挙、新政権の経済課題はデフレ脱却よりも「供給力強化」
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石破新政権では岸田前政権の経済政策路線が踏襲されそうだが、成長戦略は「地方創生」を掲げるほかはやや見えにくい。人手不足など供給面の制約が日本経済の本質的な課題になっており、新政権は「デフレ脱却」よりも労働生産性の向上などの供給力強化の成長戦略に取り組むことが求められる。
石破色“後退”の総選挙、新政権の経済課題はデフレ脱却よりも「供給力強化」
【無料公開】日本経済は「供給制約」が本質課題に、33年ぶり人手不足で建築着工や客室稼働率が低下
酒井才介
日本経済の本質的な課題は、需要不足(デフレ脱却)から人手不足による「供給制約」へと変化しつつある。人手不足がボトルネックとなって建築着工やソフトウエア投資の受注が伸び悩み、インバウンド関連でも客室稼働率は頭打ちだ。需要不足を念頭にした財政金融政策はスタグフレーションの危険性をはらむことに注意が必要だ。
【無料公開】日本経済は「供給制約」が本質課題に、33年ぶり人手不足で建築着工や客室稼働率が低下
ヒト・モノ投資5%増で低生産企業の“退出”は年1800件増、優勝劣敗の「倒産復活」時代
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人手不足の深刻化、資本効率化要請の強まりなどの環境変化で低生産性企業は退出を迫られる。高賃上げやバブル期に迫る2桁増の設備投資計画はその流れが始まったことを感じさせる。コロナ禍などで保護された時代から企業の優勝劣敗・二極化が鮮明になるだろう。
ヒト・モノ投資5%増で低生産企業の“退出”は年1800件増、優勝劣敗の「倒産復活」時代
日本経済は「供給制約」が本質課題に、33年ぶり人手不足で建築着工や客室稼働率が低下
酒井才介
日本経済の本質的な課題は、需要不足(デフレ脱却)から人手不足による「供給制約」へと変化しつつある。人手不足がボトルネックとなって建築着工やソフトウエア投資の受注が伸び悩み、インバウンド関連でも客室稼働率は頭打ちだ。需要不足を念頭にした財政金融政策はスタグフレーションの危険性をはらむことに注意が必要だ。
日本経済は「供給制約」が本質課題に、33年ぶり人手不足で建築着工や客室稼働率が低下
ドル円相場「2024年度末140円台前半」がメインシナリオ、金利差以外の寄与要因の影響は?
酒井才介
34年ぶりの円安進展の背景には、日米金利差拡大要因や投機要因に加えて、貿易赤字や「デジタル赤字」、対外直接投資増加などの円の需給要因の構造的な変化がある。先行きは円高に向かうとみられるが、円需給や日米の金融政策の動向を踏まえれば、円高進展ペースは緩やかで円ドルレートは2024年度末に1ドル=140円台前半を予想する。
ドル円相場「2024年度末140円台前半」がメインシナリオ、金利差以外の寄与要因の影響は?
金利上昇で「消費増税15%分」の収支改善ないと“財政破綻”リスク、財政健全化待ったなし
酒井才介
2%物価目標が達成されれば金利正常化で長期金利も2026年末に3.5%程度に達する可能性があるが、その場合には長期金利が名目成長率を上回り、債務残高の対GDP(国内総生産)比の発散リスクが高まる。財政破綻を回避するには消費税率換算で15%程度の財政収支改善が必要になる計算で、「財政の正常化」が待ったなしだ。
金利上昇で「消費増税15%分」の収支改善ないと“財政破綻”リスク、財政健全化待ったなし
春闘「4%賃上げ」見通しだが、物価・賃金“好循環”実現のハードルは高い
酒井才介
今春闘は4%程度の高い賃上げ率が見込まれるが、「物価・賃金の好循環」実現は難しそうだ。実質賃金は24年度後半に前年比プラスに転じるが、個人消費を上向かせるには力不足でGDPの回復の足取りも鈍い見通しだ。25年春闘の賃上げモメンタムは弱まり2%物価目標達成や「デフレ脱却宣言」は遠のく可能性が高い。
春闘「4%賃上げ」見通しだが、物価・賃金“好循環”実現のハードルは高い
金利復活で家計は預貯金利息増「6.1兆円」のプラス影響、恩恵は高所得・高齢層に偏在
酒井才介
日銀が2024年から金融政策の正常化に踏み切ることで26年までに短期金利は2.75%、長期金利は3.5%程度まで上昇する可能性がある。その影響度をシミュレーションすると、家計は住宅ローン負担増を預金収入増などが上回り恩恵が大きい一方、負債が多い企業や輸出産業を中心に金利上昇・円高で収益が下押しされるほか、政府も利払い費増が財政負担になることは不可避だ。
金利復活で家計は預貯金利息増「6.1兆円」のプラス影響、恩恵は高所得・高齢層に偏在
政府物価高対策の家計負担軽減は「年4.4万円」か、インフレ支出「年14.5万円増」カバーできず
酒井才介
経済対策の効果を試算すると、GDPの押し上げ額は6兆円、率では0.9%程度で、政府が掲げる「19兆円」は根拠が曖昧だ。物価高対策での家計の負担軽減額は「年間4.4万円」にとどまり生活支援策としては費用対効果が低い。
政府物価高対策の家計負担軽減は「年4.4万円」か、インフレ支出「年14.5万円増」カバーできず
家計のリスク資産は2040年に31%と欧州並みに?「貯蓄から投資へ」実現の鍵
酒井才介
株価上昇や若年層を中心とするリスク資産保有世帯増加の流れが続けば、2040年までに家計のリスク資産残高は2.4倍に増えるシミュレーション結果が出た。ただし若年層への金融教育拡充や国債安定消化を維持するための財政秩序回復も重要だ。
家計のリスク資産は2040年に31%と欧州並みに?「貯蓄から投資へ」実現の鍵
コア消費者物価上昇率11カ月連続で3%超え、企業は家計の「値上げ疲れ」を警戒
酒井才介
持続的な物価上昇が実現するかどうかは、人々や企業が物価上昇は「当たり前」と考える物価観に変わるかどうかにかかる。ポイントは2024年以降も十分な賃上げが続くかであり、人手不足の深刻化がノルム転換のトリガーになる可能性は否定できない。
コア消費者物価上昇率11カ月連続で3%超え、企業は家計の「値上げ疲れ」を警戒
「実質賃金マイナス」は24年度も続く、家計支出は2年で約20万円の負担増
酒井才介
春闘賃上げ率は23、24年と続けて3%台となる可能性が高いが、物価上昇との見合いでは十分とは言えず、実質賃金は24年度まで前年比マイナスが続く見通しだ。懸念は消費者の「値上げ疲れ」で企業の価格設定が慎重になり、賃上げ率が再び縮小することだ。
「実質賃金マイナス」は24年度も続く、家計支出は2年で約20万円の負担増
植田日銀「6月修正」の可能性残す、YCC撤廃時は1ドル=120円程度の円高に
酒井才介
植田日銀は当面は緩和政策を維持する見通しだが、早ければ6月会合でYCCの長期金利目標の撤廃に踏み切る可能性は残る。試算では長期金利が1%近傍まで上昇すれば、GDPが▲0.2%程度下押しされ120円台の円高になる。
植田日銀「6月修正」の可能性残す、YCC撤廃時は1ドル=120円程度の円高に
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