日経新聞の調査による大学生の就職希望企業ランキングが公表されたが(2月27日、日経新聞朝刊第二部)、それによると、トップ10は銀行と保険会社が独占した。このような人材配分で、この国は、将来、本当に成長し繁栄するのだろうか?大いに疑問なしとしない。
安定志向が顕著
日経新聞のランキングは、以下の通りであるが、トップ10企業の志望理由を見ると「規模が大きい」や「社風がよい」を挙げる人が多い。
学生が就職したい企業を選んだ志望理由については、全体の調査では「仕事が面白そうである」が7~8割の支持を集めて首位を占め、次いで「規模が大きい」「社風がよい」の順で、これが3大理由となっている。加えて「安定している」「一流である」「社会に貢献している」「世の中に影響がある仕事ができる」の6項目がいずれも6割以上の支持を集めている。昨年に比べると、「社会に貢献」が大きく伸びたと指摘されている。
ところが、トップ10企業では、「仕事の面白さ」より「規模」や「社風」が優先されており、学生の安定志向が顕著に読み取れる結果となっている。
なお、就職観については、前年同様、「自分の生活と仕事を両立させたい」が首位を占めたが、これを男女別にみると、女子(75.0%)は男子(55.1%)より19.9ポイントも高く、女子のワークライフバランスへの意識の高さが浮き彫りになった。