ジャクソンホール経済シンポジウムでパウエルFRB議長、植田和男日銀総裁、ラガルドECB総裁Photo:Natalie Behring/gettyimages

 ジェローム・パウエル米連邦準備制度理事会(FRB)議長は、景気を冷ます取り組みについて勝利宣言はしていない。それでも利上げを打ち切った可能性がある。

 パウエル氏は25日、米ワイオミング州ジャクソンホールで開催されたFRB主催の年次国際シンポジウムで講演し、定番の「一方では~だが、他方では~」という議論を展開した。同氏は、新型コロナウイルス禍によるゆがみが解消され、FRBの利上げが「今、インフレを抑制する効果を発揮し始めている」一方で、「そのプロセスにはまだ長い道のりが残されている」と述べた。また、銀行の融資基準は「引き締められ」、「工業生産の伸びは鈍化した」が、国内総生産(GDP)の伸びは「予想を上回り」、「住宅部門は持ち直しの兆しを見せている」とした。