上場投資信託(ETF)の閉鎖がハイペースで推移している。株式市場が一握りの大手テクノロジー銘柄に支配され、多くのニッチファンドは投資家の獲得に苦戦している。調査会社ETFGIによると、今年これまでに世界で閉鎖されたファンドは過去最高ペースの929本で、前年同時点の373本を大幅に上回った。新規上場は27%減の1622本で、まだ閉鎖数より多い。閉鎖が増加している背景には流入資金の減少やニッチ投資商品に対する関心の低下、資産運用会社間の競争がある。閉鎖されたファンドの多くは特定の投資テーマを対象に1、2年前に立ち上げられたが、ファンドを続けられるほどの資産を集めるには至らなかった。規模の小さい資産運用会社は個人投資ブームに乗ろうと、個人投資家でも金融のプロのように売買したり、最新の人気テーマに投資したりすることができる特化型のファンドを提供した。数年がたった今、運用会社はこうしたファンドの多くがやっていけるだけの需要はないかもしれないという現実に向き合っている。