ダイヤモンド 決算報Photo:PIXTA

新型コロナウイルス禍がかなりの落ち着きを見せ、社会は少しずつ元通りになりつつある。だが、円安、資源・原材料の高騰、半導体不足といった問題はいまだに解消されていない。その結果、企業によって業績の明暗が分かれている。格差の要因を探るべく、上場企業が発表した直近四半期の決算における売上高を前年同期と比べ、各業界の主要企業が置かれた状況を分析した。今回は、大和ハウス工業や積水ハウスなど「住宅メーカー」業界の3社について解説する。(ダイヤモンド編集部 濵口翔太郎)

大和ハウスが1Qの売上高・営業利益で
「過去最高」達成

 企業の決算データを基に「直近四半期の業績」に焦点を当て、前年同期比で増収率を算出した。今回の対象は以下の住宅メーカー業界3社。対象期間は2023年2~6月期の四半期(積水ハウスは23年2~4月期、大和ハウス工業、積水化学工業は23年4~6月期)としている。

 各社の増収率は以下の通りだった。

・大和ハウス工業
 増収率:20.5%(四半期の売上高1兆2146億円)
・積水ハウス
 増収率:マイナス4.8%(四半期の売上高7083億円)
・積水化学工業
 増収率:1.1%(四半期の売上高2854億円)

 住宅メーカー3社は、大和ハウス工業が前年同期比で2割超の大幅増収を果たし、第1四半期の売上高として「過去最高」を更新した。

 その一方で、積水ハウスはマイナスに陥った。積水化学工業はわずかながらプラスを死守したものの、3社の四半期増収率は大和ハウス工業の「独り勝ち」となった、

 さらに大和ハウス工業は、23年4~6月期(24年3月期第1四半期)の営業利益が前年同期比55.9%増の931億円、純利益が同64.3%増の600億円と利益面も大きく伸長。このうち営業利益は売上高と同様に「過去最高」を記録した。

 大和ハウス工業は、なぜこれほどの好決算をたたき出すことができたのか。次ページでは各社の増収率の推移を紹介するとともに、大和ハウス工業の業績について詳しく解説する。