「今の会社が合っていない気がする。でも、どこに転職すればいいのかわからない」。仕事はできるし、周囲からの評価も悪くない。それなのに、ずっと今の職場に違和感を抱えている人がいる。こうした人に足りないのは、転職する勇気とは限らない。では問題は何か。書籍『天才になれなかった全ての人へ 自分だけの武器が見つかる才能論』から、その理由を考えてみよう(構成/ダイヤモンド社・榛村光哲)
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「今の会社が嫌」だけでは転職先を選べない
「上司と合わない」「仕事がおもしろくない」「評価されない」「もっと自由に働きたい」。
転職したい理由は様々だろう。もちろん、それも大切な情報だ。
しかし、「何が嫌なのか」だけでは次の職場は決められない。
本当に知るべきなのは、「自分はどういう状態なら力を発揮できるのか」だ。それがわからないまま求人を眺めても、年収、知名度、福利厚生といったわかりやすい条件でしか比較できない。
「カード思考」で自分の天才状態を分解する
著書で提唱している才能論「カード思考」では、自分が持っている性質や能力、経験などを「カード」として捉えている。
「人前で話す」「企画を考える」「細かい違いに気づく」「人を巻き込む」といった、自分が持っているスキル・能力、他にも癖や習慣、特性などのことだ。
これらのカードのうち、「どれを、どんな環境で使ったときに自分は最も力を発揮できるのか」を把握していこう。
僕は書籍で、次のように提唱している。
天才状態とは、単に「得意な仕事をしている状態」ではない。自分のカードと、それを求める環境がうまく噛み合った状態だ。だから、自分のカードだけを知っていても足りない。「どんな環境なら、そのカードが最大限に活きるのか」まで言葉にする必要がある。
優秀な人ほど「なんとなく」でやれてしまう
これは実は、優秀な人ほど陥りやすい罠でもある。
これまで感覚的に仕事をして、それなりの成果を出せてきた人は、「なぜ自分が成果を出せたのか」を分析しなくても困らない。「この仕事はやりやすい」「この上司とはなぜか合う」「このチームだと調子がいい」という感覚だけで進めてしまう。
しかし、いざ転職しようとすると困る。その「なぜか」を説明できないからだ。裁量が大きいからなのか、判断の速い上司がいるからなのか、少人数のチームだからなのか、成果だけで評価されるからなのか。自分が「天才状態」に入れたのはなぜなのか、その条件を分解できなければ、次の職場で同じ状態を再現できない。
「自分のベテラン」になれば、欲しい職場が見えてくる
「自分のベテラン」になるとは、自分のカードだけでなく、そのカードがどんな条件で機能するのかまで理解することだ。「自分は企画が得意」で終わらせるのではなく、「裁量があり、意思決定が速く、少人数で動ける環境なら企画力を発揮しやすい」というところまで言語化する。逆に、「細かく承認を取る組織では力を出しにくい」とわかっていれば、求人を見る基準も変わる。会社名や年収だけではなく、評価基準、仕事内容、裁量、立場、上司、チームなどを見て、「ここなら自分は天才状態に入りやすい」と判断できるようになる。
優秀なのに転職できない人の問題点は、能力が足りないことでも、勇気がないことでもない。
「どうしたら自分が天才状態に入るのか」を言語化できていないことにあるのだ。





