お金と時間があれば、最近は非常に多くのものが手に入る。ただし自社開発のモデムチップは別かもしれない。
S&Pグローバル・マーケット・インテリジェンスのデータによると、米アップルの銀行預金は1660億ドル(約24兆3000億円)を超え、年間に生み出すフリーキャッシュフローは1000億ドル強に上る。後者はS&P500種指数の構成企業の中で直近12カ月の最高額だ。一方で、アップルは何年も前から独自のモデムチップ(移動体通信ネットワークとの接続を管理する、スマートフォンやタブレットなどの端末に搭載されるプロセッサー)の開発に取り組んでいる。秘密主義のアップルだが、この取り組みを隠そうともしていない。2020年末の全従業員(当時14万7000人)集会で、内製モデムチップの開発を進めていることを明かした。