楽天の所属団体らが“送料無料”表示の廃止に反論!「根拠がない」と指摘した内容は?画像はイメージです Photo:PIXTA

今年6月、政府がまとめた「物流革新に向けた政策パッケージ」において、見直しに向けた取り組みの必要性が明示されたことでにわかに注目を集める「送料無料」表示。政策パッケージでの言及を受け、消費者庁は同月23日に「『送料無料』表示の見直しに関する意見交換会」の第1回会合を開き、運輸業界側からのヒアリングを実施した。8月に入ると、第2~4回の意見交換会が相次いで実施され、今度はアマゾンや楽天、ヤフーなど大手ECが所属する3団体から聴取。ここでは運輸業界が求める「送料無料」表示の見直しに、真っ向から反対する主張も散見された。その後、日本郵便を招聘した第5回を挟み、同月23日の第6回会合には業界最大手団体の日本通信販売協会(JADMA)が呼ばれ、通販事業者らの意見を代表して発表した。(カーゴニュース編集部)

*本記事はカーゴニュースからの転載です。

運輸業界は見直しを要請してきたが…

「送料無料」は通信販売などで商品の発送にかかる料金を購入者側が負担しないことを示す言葉で、EC市場の拡大に伴い広く浸透してきた。一方で、「輸送にはコストがかからない、との誤解が生じ兼ねない」として、運輸業界側は10年以上にわたって表示の見直しを訴え、「2024年問題」の到来を前に、持続可能な物流システムの構築が急務となるなか、ようやく行政側から一定の認識を得られたかたちだ。

 加えて、消費者庁としては「送料無料」によって通販会社自身が消費者へ運賃を転嫁できず、結果として通販業界における“バランスの取れた賃上げと値上げ”を阻害している可能性にも着目。まずはこうした実態を把握するため、両業界の関係者からの声を聴取する意見交換会の開催に至った。