ヤマトHD、最新決算が「最終赤字」に…値上げで単価は上昇するも何が起きた?Photo:PIXTA

ヤマトホールディングスの2024年3月期第1四半期の決算は減収減益となり、最終赤字に転じた。宅配便単価は値上げで上昇したものの、宅配便取扱数量は消費のリアル回帰によるEC需要の伸び悩みを背景に、当初想定を下回った。目下、構造改革を進行中で、営業所数は3219拠点から2800拠点まで削減する計画。ドライバーの働き方・体制刷新を行い、集約効果の最大化を図る。(カーゴニュース編集部)

*本記事はカーゴニュースからの転載です。

消費のリアル回帰によるEC需要の伸び悩み
宅配便の数量振るわず減収減益

 ヤマトホールディングス(本社・東京都中央区、長尾裕社長)が8月3日に発表した2024年3月期第1四半期の決算は、宅配便取扱数量の減少や国際輸送の需要減から減収減益となり、最終赤字に転じた。同日には電話会議方式で決算発表が行われた。

 24年3月期第1四半期の連結業績は、売上高4202億1200万円(前期比0.9%減)、営業利益15億9800万円(33.9%減)、経常利益18億3700万円(26.3%減)、親会社株主に帰属する四半期純損失は1億3300万円の赤字(前年同期は3億2000万円の黒字)だった。 

 宅配便単価は運賃改定効果などで前年同期比2.3%増の713円に上昇したものの、宅配便取扱数量(宅急便・宅急便コンパクト・EAZY)は消費行動のリアル回帰によるEC需要の伸び悩みなどを背景に、当初想定を下回る4億4236万5000個(前年同期比1.6%減)に留まった。また、国際輸送関連の収入も、世界的な輸送需要減や航空・海上運賃の平準化などから前年同期比23.9%のマイナスだった。