エクスの名物といえば「カリソンCalisson」。アーモンドパウダーとメロンのシロップ漬けを混ぜた生地を砂糖でコーティングしたお菓子で、葉っぱのようなひし形をしています。1920年創業の「ル・ロワ・ルネ」はエクスでカリソンといえば必ず名前が挙がる人気店。
カリソンは、15世紀にプロヴァンスを治めていたルネ王が、笑わない姫を妃に迎えるにあたり、笑顔になってもらいたいと作らせたお菓子。そのおいしさに顔をほころばせた姫がお菓子の名前をたずねると、王はこの地方の方言で「抱擁」を意味する「Di Calin soun(ディ・カリン・スン)」と答えたことが名前の由来と言われています。ちなみにカリソンは1個13.3gと決まっていて、13は「13聖人」、3は「三位一体」からきているのだとか。お菓子ひとつとっても歴史の深いフランス。おみやげ話にも花が咲きそうです。
「フランスの最も美しい村」を訪ねる
フランスには、昔ながらの田舎の景観を保護することを目的に設立された「フランスの最も美しい村協会」があります。村の人口が2000人未満であること、2ヵ所以上の保護建造物があることなどの条件を満たした村だけが「美しい村」と認定され、現在172の村が登録されています。そのうちのひとつゴルドGordesに立ち寄りました。
映画『プロヴァンスの贈りもの』(2006年)の舞台にもなった人気の村ゴルド。丘の上に立つ古城に向かって石畳が迷路のように入り組み、中世にタイムスリップしたかような気分を味わえます。村にはおみやげ物屋やカフェのほか「プティ・パレ・ダグラエPetit Palais d’Aglae」のような眺めのいい高級ホテル・レストランもあり、数日間ゆったり過ごすことも可能です。