シャープが営業赤字、純利益も8割減…ソニー・パナソニックとの格差拡大は加速Photo by Takahisa Suzuki

新型コロナウイルス禍がかなりの落ち着きを見せ、社会は少しずつ元通りになりつつある。だが、円安、資源・原材料の高騰、半導体不足といった問題はいまだに解消されていない。その結果、企業によって業績の明暗が分かれている。格差の要因を探るべく、上場企業が発表した直近四半期の決算における売上高を前年同期と比べ、各業界の主要企業が置かれた状況を分析した。今回はソニーグループ、パナソニック ホールディングス、シャープの「総合電機」業界3社について解説する。(ダイヤモンド編集部 宝金奏恵)

ソニー3割超の増収も
シャープは赤字

 企業の決算データを基に「直近四半期の業績」に焦点を当て、前年同期比で増収率を算出した。今回の対象は以下の総合電機業界3社。対象期間は2023年2~6月期の四半期​​​​(3社の対象期間はいずれも23年4~6月期)としている。

 各社の増収率は以下の通りだった。

・ソニーグループ
 増収率:32.9%(四半期の売上高及び金融ビジネス収入2兆9637億円)
・パナソニックホールディングス
 増収率:2.8%(四半期の売上高2兆297億円)
・シャープ
 増収率:マイナス3.7%(四半期の売上高5412億円)

 ソニーグループは32.9%増という大増収で、他の2社を寄せ付けない強さを誇っている。

 一方、シャープはマイナス3.7%と減収だ。シャープは23年3月期通期で17年3月期以来6期ぶりの最終赤字に転落していて、不調から抜け出せていない。23年4~6月期も、営業利益は赤字に転落し、純利益は前年同月比で大幅な減益に陥ってしまった。

 次ページでは、各社の増収率の推移を紹介するとともに、利益面がどのような状況か見ていく。