米防衛大手RTX(旧レイセオン・テクノロジーズ)とサウジの同業スコパ・ディフェンスは、数十億ドル規模の取引の成立に近づいていたが、今年初めに交渉が突如打ち切られた。この協議に詳しい関係者らによると、スコパのオーナーが設立した企業が米国の制裁を受ける中国やロシアの企業と事業を進めていることにRTXが懸念を抱いたことが理由だった。そうした憂慮が退役米軍将校で構成される諮問委員会がスコパを辞任する決め手となった、と同関係者らは話す。スコパは、同社のオーナーや米政府当局者に制裁に関する懸念を訴えた米国人の最高経営責任者(CEO)を解雇した。他の欧米の防衛大手も現在、主に中ロ企業との関係を巡る懸念から、初期段階の契約を再検討しているという。
サウジ防衛企業が中ロに秋波、米企業と交渉決裂
制裁対象企業との関係を懸念、巨額取引が破談に
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