1990年、2001年、07年に米国で起きたリセッション(景気後退)の直前、多くのウォール街のエコノミストは、景気後退を引き起こすことなく利上げでインフレを封じ込めるソフトランディング(軟着陸)は目前だと宣言していた。同様に今夏、インフレ鈍化と労働市場の沈静化が同時進行したことで、エコノミストや米連邦準備制度理事会(FRB)当局者の間で、この困難な目標に手が届くかもしれないという楽観論が広がった。だがソフトランディングがまれなのには理由がある。達成が難しいからだ。ジェローム・パウエルFRB議長の元アドバイザーで、現在はノーザン・トラスト・アセット・マネジメントに在籍しているアントゥリオ・ボムフィム氏は「多くの運が必要だ」と語った。
米経済のソフトランディング、阻むものとは
FRBが景気後退なしにインフレを退治する確率は高まったが、危険は迫る
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