──一方、採用面はどんな支援を?

川口 まずは採用サイトやPR動画の作成ですが、地方企業の場合、これだけだと幹部候補やマネジャークラスの人材はなかなか採用できません。そこでスカウト型の人材紹介サービス「リープ・キャリア」を用意しています。リクルートやマイナビといった大手企業のデータベースを活用して、スカウトをするのです。

──これだけのサービスを展開するには人手が必要ですよね。

川口 現在53人いるのですが、創業当初から採用に力を入れました。3期目にはアルバイトを含めて20人ほど社員がいて、岐阜県で業界最大規模に。それを売りにお客さまを増やし、よい人材も集まるようになりましたが、地元だけでは限界があります。そこで早い段階から県外の大学の就職課にアプローチしました。その結果、毎年4~5人の新卒学生を採用しているのですが、ここ3年は全員、東京や兵庫、福岡など県外からの移住組です。

──そこまで採用できる理由とは?

川口 弊社が地方創生に力を入れていること、新卒を早期戦力化するトレーナー制度が整っていることもありますが、労働環境も大きいかと。休みは年間130日で残業もわずか。在宅勤務もOK。ユニークな福利厚生も充実しています。以前は面接で福利厚生を聞く人は採用するなといわれましたが、今はそれを聞く人の中にもよい人材が多くいます。だから労働環境を整えた方がよいのです。

──新卒のニーズもつかんでいますね。

川口 もちろん労働環境をよくするには業務の効率化が必要です。そこで社員が日々の業務で何をしているか、15分単位で見える化できるツールを開発しました。そのデータを基に改善点を話し合うことで、業務を効率化できています。

──岐阜信用金庫さんとお付き合いが?

全国の新卒学生が移住入社する岐阜の企業、Webと採用で地域ナンバーワン企業を生む県外からの移住入社も多い社内風景
●株式会社リーピー 事業内容/Webを中心とした地方創生支援。Webプロデュース事業、人材紹介事業、Webサービス事業、従業員数/53人、売上高/3億5000万円(2022年度)、所在地/岐阜県岐阜市香蘭3-7、電話/058-215-0066、URL/leapy.jp

川口 創業数日後に営業の方が飛び込んできて以来のお付き合いで、融資やビジネスマッチングでお世話になっています。フットワークが軽く、親身になって対応していただける。今は他の金融機関とも付き合いはありますが、融資に関して最初にご相談するのは岐阜信金さんです。

──今後の抱負をお聞かせください。

川口 今後は、事業承継領域の拡充を考えており、後継社長のパートナーとなる幹部候補人材の採用支援や、代替わり前後のリブランディングの支援を考えています。地域ナンバーワンを目指している企業の方には、ぜひご相談いただきたいですね。

(取材・文/杉山直隆、協力/岐阜信用金庫、「しんきん経営情報」2023年10月号掲載)