中国の巨大な住宅業界が新たな危機に急速に近づいており、これまでで最悪の危機となる恐れがある。2年前、巨額の債務を抱えた中国恒大集団が支払い不能状態に陥り、中国の不動産バブルを崩壊させ、開発業者のデフォルト(債務不履行)や企業の損失を連鎖的に引き起こした。不動産業界の問題は同国経済の足を引っ張ってきた。そして今、国内最大の民間不動産開発業者である碧桂園が生き残りを賭けて苦闘している。恒大は放漫体質により経営が悪化したが、碧桂園の問題は不動産業界から投資家や住宅購入者が手を引いていることに起因する。碧桂園の資金難は中国経済や政策立案者にとって、2021年の恒大の債務不履行よりもはるかに大きな問題を生じさせる可能性がある。碧桂園は巨大な事業活動の大半を地方都市や工業地域に集中させていた。そうした地域は好況時には経済成長の原動力となっていたが、今では地方政府の財政難や住民の流出加速という問題に苦しめられており、大手開発業者の経営破綻の影響を吸収することができなくなっている。