米自動車大手3社での全米自動車労組(UAW)のストは、バイデン政権の経済政策の核心部分と相いれない部分を露呈させている。この矛盾を解決するのは困難かもしれない。ジョー・バイデン大統領は、一方では製造業の米国回帰に向けてクリーン技術や電気自動車(EV)への新規投資を促進している。他方では労働組合をたたえ、その賃上げ要求を支持している。ハーバード大経営大学院のウィリー・シー教授(経営学)は、大幅な賃上げが実現すれば、EV産業で優位に立つ中国に米国が対抗することは一層困難になるとの見方を示した。「このことはバイデン政権を本当に困らせている」とシー教授は述べた。「労働者側に味方して、よし、皆のコストを上げようと言うことはできる。だが国内産業の長期的な競争力はどうなるのか」
米自動車スト、バイデン氏の製造業政策と逆行
政権の労組支援と自動車産業の競争力強化には相いれない部分がある
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