泌尿器の異常を訴えていましたが、健康保険が切れていました。担当者から「検査なら無料で受けることができます」と聞き、午後から病院へ行きました。検査の結果「内科で診てもらうように」と言われました。

 行き帰りの車内で、Aさんは繰り返し、うとうとしたり起きたりしていました。

 引越しから1週間後、朝から役所の住民窓口で、転入の手続きをしようとしましたが、転出証明がなかったために、「証明を取り寄せるように」と言われました。しかし、Aさんはそれまで、知り合いの家やネットカフェを泊まり歩いていて、住居がなく、何年も前から転出転入の届けをしていなかったのです。

 こうした書類を提出した後、検査の手続きをして、午後から内科のある病院で検査してもらったところ、「循環器科で診てもらうように」と指示されました。

 8日後、また同じ病院で再検査してもらい、やっと原因が判明しました。結果は「甲状腺ホルモン分泌異常」でした。

 薬を処方してもらいましたが、Aさんはまだ生活保護の申請中。担当者から「薬代は生活保護が決まるまで立て替えになる」と聞かされていた私は、薬代が払えなかったらどうしようとドキドキしながら、近くの薬局に行きましたが、数千円の負担でホッとしました。

 2週間後、福祉担当者が、自宅を訪問しました。Aさんは、担当者の冷たい態度や対応にいらだっていました。

 知り合いの地方議会議員さんに話を聞いてもらいに行きました。議会の開催中でしたが、「状況を担当者に確認してくれる」とのことでした。

 自宅に戻ると、Aさんは長渕剛のCDアルバムを渡してくれました。移動の車内で、長渕剛の曲を聞いたので、私にもらってほしいとのことでした。

 17日後の朝、再びAさんの住居に向かっているとき、役所の生活保護担当者から、Aさんが亡くなったと電話がありました。