米国のオフィス市場はさえない状態だ。ある意味、中国ではさらにひどい。ここ数年で最悪の景気減速に見舞われている中国では、深センや武漢などかつて活況を呈した都市で多くのオフィスが空室のままで、賃料も下落している。不動産サービス会社CBREによると、中国主要18都市の6月の高層オフィスビル空室率は約24%だった。同月のオフィス空室率が18.2%と30年ぶりの高水準となった米国をさらに上回っている。ただ、中国のオフィス市場は米国とは異なり、ハイブリッド型勤務へのシフトが打撃になっているわけではない。欧米では出社と在宅を組み合わせたハイブリッド型の普及で、企業のオフィス需要が減っている。中国が直面しているのは、より根本的な不動産問題だ。つまり建設業者が単に物件供給を増やしすぎ、経済は今、それを吸収するには弱すぎるということだ。
中国オフィス市場、厳しさは米国以上
テック企業が集まる深センや武漢で高い空室率
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