物流大手が危険物倉庫への投資を加速させている。電気自動車シフトに伴うリチウムイオン電池の保管需要が増加したこと、半導体製造工程に必要な化学品や高圧ガスなどの保管需要も喚起されていることが背景にあり、今後の倉庫需要をけん引する成長分野となりそうだ。(カーゴニュース編集部)
EVシフトでリチウム電池の需要増
半導体の国内強化の動きも
総合物流大手が危険物倉庫への投資を加速させている。車のEVシフトに伴うリチウムイオン電池の保管需要が増加するとともに、半導体産業の国内基盤強化の動きを受け、半導体製造工程に必要な化学品、高圧ガスなどの保管需要も喚起されている。
一五不動産が7月に実施したアンケートによると、今後の倉庫需要を牽引する上位3品目に「危険品」も挙げられており、成長分野としての注目が高まっているようだ。
山九は来年8月に三重県菰野町に危険物倉庫を4棟(計4000平米)新設する。新倉庫は消防法危険物第4類の貨物に対応し、リチウムイオンバッテリーなどの製品から、医療や半導体などに使用される中間財や原料などの高機能製品を主に取り扱う予定。
四日市コンビナート地区からは車で30分以内の距離にあり、幅5メートルの庇も備え、雨天時の荷役にも対応。同地域では既に2カ所の危険物倉庫を運営しており、そのひとつに隣接する形で新倉庫を建設し、保管能力を増強する。