結婚・出産に合わせてマイホームを購入する人に欠けている「最も大事な視点」結婚して第一子の小学校入学前に家を買うということは、最良の選択なのか(写真はイメージです) Photo:PIXTA

「住宅すごろく」は様変わり
結婚は本当に持家のベストタイミングか

 昔は住宅すごろくという言葉が使われていた。最初は、アパートの一人暮らしから始まって、最後は郊外の庭付き一戸建てというものだった。今は高齢の方の中で、駅から遠くて広い戸建から駅近のマンションに住む人も増えた。

 このように、時代とともに家族のあり方と家に求めるものは変わり、すごろくの上がりもそこに至る過程も変わるものなのだろう。そんな現代において、提案したいことがある。

 持家の購入時期で最も多いのは、結婚して第一子の小学校入学前であることは昔からあまり変わらない。5~6年前の婚姻件数と新規の持家着工戸数は相関が最も高く出る。この際に、「公立小学校移民」と言われる教育環境がいい公立小学校の学区内に引っ越す人が多い。街で見かける電信柱の捨て看板(この広告手法は違法なのだが)に「〇〇小学校区域内」と書かれているのは、その効果が大きいことの表れでもある。

 コロナ禍で婚姻件数は顕著に減った。婚姻件数と出生件数は1年遅れで相関する。できちゃった婚(授かり婚とも言う)が25%を占めるためでもある。最近の出生件数が過去最低になったニュースは、1年前から予期できることだったのだ。

 少子化対策をするなら、産みたい人に産みやすい環境を提供することが考えられる。これは菅前首相が不妊治療の保険適用を推し進め、実現に至っている。これに加えて私が推奨したいのは、結婚の推進だ。

 婚姻件数が減ったのは、コロナ禍で結婚式を挙げにくかったことがかなり影響している。旅行や飲食の支援はその場限りだし、支援しなくても旅行に行った可能性は高かった。それと違い、結婚はその後の環境が一変することから、経済にとっては長期に渡って効果がある。それも結婚したら、1年後に出産する確率が高いのだから、出産を意識していない男女も夫婦になったら産む可能性は自ずと高まる。日本では非嫡出子が非常に少ないので、出産の前提が結婚になっている。