定年前後の決断で、人生の手取りは2000万円以上変わる!マネージャーナリストでもある税理士の板倉京氏が著し、「わかりやすい」「本当に得をした!」と大人気になった書籍が、2024年の制度改正に合わせ改訂&パワーアップ!「知らないと大損する!定年前後のお金の正解 改訂版」として発売されました。本連載では、本書から抜粋して、定年前後に陥りがちな「落とし穴」や知っているだけでトクするポイントを紹介していきます。

申請するだけでもらえるお金、「自分の場合」を調べるには?Photo: Adobe Stock

100万円をもらい損ねかけた人も!

“知っている人だけがトクをする”最たるものが、補助金・助成金・給付金などの制度。

 たとえばコロナの影響で売上が減少した事業者に支給された「持続化給付金」。当初の発表では「前年(2019年)同月と比べて売上が50%以上減少した事業者」が対象でした。ところが、その後2020年1月~3月の間に開業した人でも、一定の要件を満たせば給付金の対象となると追加で発表されたのです。ただこのニュースはあまり周知されず、知らない人も多かったと思います。

 私のクライアントでまさにこの対象となる人がいました。ご本人は、「2019年の売上がないから持続化給付金はもらえない」と諦めていたのですが、追加の条件により対象となることを伝えたところ、上限額の100万円がもらえることが判明!「知らなかったらもらい損ねるところだった」と、とても喜んでもらえました。

 それでもコロナ禍の「持続化給付金」は有名な給付金だったのでもらえた人も多かったと思いますが、一般の補助金・助成金・給付金はその存在さえ知られていないものがたくさんあります。知っている人だけがトクをする、それが補助金・助成金・給付金などの制度なのです。

 そもそも補助金・助成金は国や地方自治体が取り組みたい政策目標に沿った事業にお金が支給される制度です。条件に合えば必ずもらえるのが助成金。ただし金額は少なめです。補助金は金額は高額なものが多いですが、もらえるのは審査に通った優秀な事業者だけなのでハードルは高めです。

 給付金も助成金と同様に条件が合えば必ずもらえます。補助金・助成金は基本的に使った経費や取り組みなどに対して「後払い」でお金を支給する制度であるのに対し、給付金は「一定の条件をクリアしていれば、取り組みを求めずに現金を給付する制度」。先ほどのコロナ禍で売上高が減少した事業者へ給付する「持続化給付金」や、無条件で給付された「特別定額給付金」などが代表的な給付金です。

自分で対象となる制度を探してエントリーする

 いずれにせよ、無条件で勝手に振り込んでくれるような給付金以外は、自分で対象となる制度を探してエントリーすることが必要。条件が合う助成金や給付金があれば必ずもらえるわけですし、ハードル高めの補助金だって、もし選ばれればラッキーです。

 補助金・助成金・給付金は多種多様で、募集期間も限られています。今現在どんな制度が募集中なのかを確認することが大事です。条件にあった制度を一括検索できるサイトなどを使って、こまめに検索してみてください。

 検索サイトの例としては「資金調達ナビ https://shikin.yayoi-kk.co.jp/」、「補助金ポータルhttps://hojyokin-portal.jp/」「zaimの私の給付金 https://content.zaim.net/benefits」などがあります。

 給付金や助成金などを取れるとうたってお金を巻き上げるような業者もいるようです。内容や条件をしっかり調べて、合うものがあればまずは管轄の役所に直接確認をすることをおすすめします。

*本記事は「知らないと大損する!定年前後のお金の正解 改訂版」から、抜粋・編集したものです。