『転職の魔王様』から知る
転職エージェント選びの要点
テレビドラマ『転職の魔王様』が、9月25日に最終話を迎えました。転職エージェント(キャリアコンサルタント)を主人公にしたドラマは、業界内でも大いに話題になりました。ただし、フィクションなので当然といえば当然ですが、デフォルメされていて実際の仕事とはかけ離れている描写もあります。
まず、成田凌さんが演じた毒舌エージェント・来栖嵐(主人公)のように、転職希望者にあれほど当たりの強いキャリアコンサルタントはいません。面談をすっぽかした候補者の家まで行くこともしません。一日に何人も面談をするなかでそこまでフォローすることは不可能ですし、そもそも勝手に候補者の自宅へ押しかけたら問題になってしまうでしょう。
一方、人材紹介会社にとって「候補者を深く理解する姿勢」が重要なのはその通りです。このスタンスを人材紹介会社が取っていなければ、キャリアコンサルタントの仕事は成り立ちません。
候補者が転職をするときは、現職を辞めざるを得ない場合も含め、背景にさまざまな事情や理由があります。転職は人生のなかで、非常に大きな決断です。キャリアコンサルタントは、その一大決心の相談相手となるわけです。だからこそ、候補者を深く理解する姿勢が求められます。
見方を変えれば、候補者側にとっての人材紹介会社選びは、本音・本心で話せる相手であるかどうかが重要だといえます。
ところが人材業界全体を眺めてみると、「候補者を深く理解しよう」といった姿勢や心構えで業務に取り組んでいる人ばかりかといえば、必ずしもそうとは言えません。
同業者である筆者から見て、「本当に候補者のことを考えて仕事をしているのか?」と疑問符が付くキャリアコンサルタントもいます。そうした人物には、どんな特徴があるのでしょうか。プロの目線で解説します。