今、世界的に注目を集めているのがエピクテトスという奴隷出身の哲学者だ。生きづらさが増す現代において、彼が残した数々の言葉が「心がラクになる」「人生の助けになる」と支持を集めている。そのエピクテトスの残した言葉をマンガとともにわかりやすく紹介した『奴隷の哲学者エピクテトス 人生の授業』が日本でも話題だ。今回は、本書の中から、「人々を不安にするものは、事柄それ自体ではなく、その事柄に関する考え方である」というエピクテトスの言葉をマンガとともに紹介する。(マンガ©かおり&ゆかり)

すべての感情の原因は「自分」

奴隷の哲学者エピクテトス。人物紹介。エピクテトス、ニウス、ゼニムス。
ニウスよ。どうしたんじゃ顔色が悪いぞ。さっきご主人様が目の前を通ったんです。もう怖くて怖くて。なぜそんなに恐れるのじゃ? だって怖いでしょ。あの顔つき、あの態度。あー!なんでぼくがご主人様のせいでこんな思いをしなきゃいけないんだ!
ニウスよ。君を怖がらせているのはご主人様ではなく君自身じゃよ。何言ってるんですかエピさん!なぜぼくなんです!?ぼくじゃなくてご主人様でしょ!ではご主人様が原因なら彼の態度を君はどう説明するのじゃ。せっかくご主人様が通ったのにあいさつしそびれたー。アピールできるチャンスだったのにな。
いいかねニウスよ。感情は「自分の考え方」によって生じるのじゃ。君がご主人様を怖いと思う感情を軽くしたいなら、それは君の考え方次第でできるのじゃよ。

(本原稿は、『奴隷の哲学者エピクテトス 人生の授業』からの抜粋です)