お金の有無と幸福であることとはリンクしない

 お気づきのように、僕が本当に伝えたいのは、ピカソとゴッホの人生ではない。「お金」の話である。
 ピカソもゴッホも素晴らしい画家だ。ふたりとも愛に満ちたとても幸福な人生を送った。お金のあるなしは、その人が幸福であることと直接的に関係ない。幸福とは、期待と実体が一致した状態だ。「心を満たすお金」だけでなく「心をコントロールする意思」との両方がそろって、初めて人は幸せになれる。

 だからこそ僕は、お金という一般的には得体の知れない存在を、若い時から俯瞰して見る力を養うべきだと思う。そうすることで、何かを産み出す「創造の武器」としてお金を使えるようになるからだ。

 念のため断っておくと、本連載はお金持ちを目指す内容ではない。それでもお金の本質を理解し、来るべき未来に備えをすれば、きっと経済的にも社会的にも自由に暮らすことができるようになるだろう。

 まずは次回、お金とは何か?について考えていこう。

(次回は3月12日更新予定です。)


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人は、経験を通して世界を創造する。
お金は、その創造の一要素でしかない。

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