『独学大全──絶対に「学ぶこと」をあきらめたくない人のための55の技法』著者の読書猿さんが「勉強が続かない」「やる気が出ない」「目標の立て方がわからない」「受験に受かりたい」「英語を学び直したい」……などなど、「具体的な悩み」に回答。今日から役立ち、一生使える方法を紹介していきます。
※質問は、著者の「マシュマロ」宛てにいただいたものを元に、加筆・修正しています。読書猿さんのマシュマロはこちら
[質問]
物事にはやり方があるって読書猿さんは言ってましたが、劣等生が試験でいい点を取る方法もあるのですか?おしえてください。
6つの方法がありますが、さらに大事なのは……
[読書猿の回答]
はい。あります。ざっくりいうと、こんな感じです。
1.分かるところまで戻る
2.理解と記憶を確認する
3.すぐに復習する
4.その日やったことを記録する
5.復習を繰り返す、復習のスケジュールを計画し実行する
6.できることの精度と速度を上げる
少しだけ解説します。
1.分かるところまで戻る
『独学大全』でいうと「可能の階梯」という技法です。
劣等生も、自分に対しても見栄を張ります。前の学年のことをやれというと死ぬほど嫌がります。けれど本当は、できると思う二つくらい手前からやり直すのがよいです。
2.理解と記憶を確認する
劣等生は、分かったつもり、覚えたつもり、であることが多いです。分かったつもり、覚えたつもりを根絶するにはテストで確かめます。つまりセルフテストが勉強の中心になります。
3.すぐに復習する
勉強のコアは復習です。復習する時、人は学びます。「すぐに復習する」が最初から組み込まれた、暗記筆写や復文もオススメです。間違いは、目立つようにし、間違えた原因を特定しておきます。
4.その日やったことを記録する
何をどれだけやったかが記録のコアです。これをやると「今日は何時間勉強した」という無意味なことは言わなくなります。そして自分の勉強に対する解像度が上がります。すると効率は嫌でも上がる。
『独学大全』では「記録を取るものは向上する」と書きました。
5.復習を繰り返す
復習は一回では終わりません。終わらせてはいけません。復習はローコストなのにハイリターンです。少ない努力で得るものは大きい。なので復習のスケジュールを最初から計画し、時間を割り当て、実行をチェックします(記録します)。
6.できることの精度と速度を上げる
劣等生にとって、世界は「できないこと」と「できること」に二分されます。非劣等生になると、「できること」にも様々な段階があることが分かります。「できること」のレベルを引き上げることが中心になります。
しかしいちばん大切なことは
0.早めに取りかかる
ことです。
勉強は、自分を変えることなので、時間がかかります。