頑張っているのに成果が出ない。どうすればいいのか、途方にくれる人も少なくないだろう。そんな人におすすめなのが、『1位思考──後発でも圧倒的速さで成長できるシンプルな習慣』。「週刊ダイヤモンド」「トップポイント」など数々の書評で絶賛。創業9年目で売上300億円にしたアンカー・ジャパンCEOの猿渡歩氏、初の著書だ。猿渡氏は「適度にサボると生産性は上がる」という。27歳入社→33歳アンカーグループ最年少役員→34歳アンカー・ジャパンCEOになった著者が、参入したほぼ全製品カテゴリーでオンラインシェア1位になった秘密は、シンプルな6つの習慣にあった。本書の一部を抜粋しながら急成長の秘密を明らかにしていこう。

1位思考Photo: Adobe Stock

アウトプットと「学ぶ習慣」

 本書では、「1位思考」を6つのシンプルな習慣に分け、初公開した。

★第1章──全体最適の習慣
★第2章──バリューを出す習慣
★第3章──学ぶ習慣
★第4章──因数分解の習慣
★第5章──1%にこだわる習慣
★第6章──サボる習慣
★巻末プレミアム──面接を通過する10のコツ

 今回のテーマは「学ぶ習慣」である。

 第2章までを読んで「成長したい」「価値をつけ加えたい」と思った人が、具体的なアウトプットをする際に必要になるのが「学ぶ習慣」だ。

成果の公式

 本書で詳説した「成果の公式」を改めて確認したい。

 ここでは、インプット×思考回数を「」、試行回数を「」と置き換えてみたい。

 すると、「成果の公式」は下記のようになる。

アウトプット力がある人とアウトプット力がない人の根本的な違い

 ここでは、とりわけ「」について見ていこう。

キャリア形成の真のリスク

 キャリア形成は読者のみなさんも日々考えているテーマの一つだと思う。

 キャリアを築くうえで一番のリスクは何だろう。

 それは起業することでもスタートアップに行くことでもない。

 自分の力より会社のブランドで仕事があることを理解せず、学び続ける大切さを忘れることだ。

 これまでお話ししてきたように、「現状維持でいい」と思った時点で後退している。

アウトプットの質=インプット×地頭力

 アウトプットの「質」は、インプット×思考回数で決まる。

 その人がどれだけ思考回数を増やしたかが「地頭力」に直結する。

 よって「アウトプットの質=インプット×地頭力」と定義できる。

 まずインプットだが、自分の知識以上のバリューは出せない。

 企業の課題を発見し、解決方法を提案する場面でも、本書第4章で触れる「仮説思考」を考える際にも、自分の知識以上のものは出てこない。

 アウトプットの精度を上げたいなら、まず自分の引き出しを増やすことだ。

 その近道は、様々なことに興味を持ち、幅広くインプットすること。

 仕事に関する知識にとどまらず、アンテナを高く広く張り、情報を収集する。

 自社にストックされた仕事まわりの知識だけでは、情報が陳腐化し、仮説を見誤る恐れがある。

 同業他社や他業界・他分野の事例をインプットするのはもちろん、歴史やスポーツなどビジネス以外の知識からも、応用できる考え方に出合うことは少なくない。

 自伝や伝記を読むと、無意識のうちに、一時代を担った人物が生きてきた年代、および、当時の世界情勢、国内情勢、政治経済、社会、文化、テクノロジー、風俗、人々の生活などがわかるのだ。

(本稿は『1位思考』の一部を抜粋・編集したものです)