職場で理不尽な目にあっている、なかなか仕事がデキるようにならない、転職に不安……人生100年時代、本当にこのままでいいのだろうか。
そんな人たちにおすすめなのが、話題沸騰中の書籍『真の「安定」を手に入れる シン・サラリーマン──名著300冊から導き出した人生100年時代の攻略法』だ。
著者は、多くのビジネスパーソンの支持を集め、登録者66万人超えの「サラリーマンYouTuber」サラタメ氏。
本書には、実に600ページにわたり、「仕事術」「転職術」「副業術」「マネー術」など、これからのサラリーマンに必要な全技術がこれでもかと詰め込まれている。
★★★ベストセラー精神科医・樺沢紫苑氏★★★
「全サラリーマンが読むべき一冊。意外にもメンタルダウンしている人に効く。パラパラめくるだけでワクワクする一冊。著書300冊のエッセンスをたった1冊で学べるから読まない理由がない」
★★★ミリオンセラー公認会計士・山田真哉氏★★★
「ビジネス書文法とYouTube文法がかけ算となった革命的な本。分厚いけどあっというまに読める。こんな本はめったにない」
本に書いていないがサラタメ氏に聞くと、湯水のごとく出てくる貴重なビジネスパーソンの生きる知恵を凝縮した連載8回目。今回は副業の選び方について、サラタメ氏に聞いた(インタビュアー:川代紗生)。(初出:2020年10月30日)
「副業サラリーマン」が人生100年時代に最強な理由
――サラリーマンとして安定した収入を得ながら、副業で新しいビジネスに挑戦する。『シン・サラリーマン』では、令和の時代に合った「副業サラリーマン」という働き方について、徹底的に解説されていました。
サラタメ:私が副業をはじめたのは、新卒で働いていたブラック企業から、ホワイト企業に転職したあとのことでした。
平日は深夜まで残業、休日出勤も当たり前だった生活が一変し、自分の時間ができるようになって。安定した収入を得られるサラリーマンだからこそチャレンジできることもたくさんあるのだ、と知りましたね。
経営者やフリーランスだと、どうしても「仕事が来るかどうか不安」という気持ちと闘いながら仕事しなければなりませんが、サラリーマン副業なら、そうではない。収入面の安定は、心の平穏につながります。
「たとえ失敗したとしても、本業がある」と思えるからこそ、やりたいことに思いきって挑戦できる。
書籍解説と転職ノウハウに関するYouTubeチャンネルを約3年半運用してこれたのも、「サラリーマン副業」というやり方だったからこそと思っています。
――サラタメさんのように、何か副業に挑戦したいという人も増えていると思います。
とはいえ、初心者の人ほど、数ある選択肢の中から何を選べばいいのかわからないと、悩んでしまうのかなと。
「人気で、みんながやりがちだけど、実は稼げない副業ワースト3」を選ぶとしたら、何が思いつきますか?
サラタメ:結論から言えば、
◎ワースト3位:YouTuber
―――大きな差―――
◎ワースト2位:ブロガー
◎ワースト1位:音声コンテンツ配信
ですね。少し意外に聞こえるかもしれませんが。
――意外ですね!
どれもオーソドックスというか、「誰でもやりやすい副業」というイメージが強いです。
サラタメ:実は、そこが一つの落とし穴なんですよね。
誰でもできる、新規参入しやすいジャンルは、いわばレッドオーシャン。競争相手が多い分、価格競争も激しい。誰でも稼げるビジネスというのは、誰も稼げないビジネスになっていく、悲しい運命にあるんです。
時間のムダになる可能性大!
「インフルエンサー型」副業の落とし穴
サラタメ:その中でも、今回選んだ「音声コンテンツ配信」「ブロガー」「YouTuber」に共通するのは、「インフルエンサー型」副業だ、ということ。
自分の「影響力」で稼ぐインフルエンサー型副業は、コンテンツが自分の強みにうまくハマれば大きな利益につながる可能性もあるので検討している人も多いと思いますが、運やタイミングに影響されやすいため、再現性が低いというデメリットもあります。
――なるほど。『シン・サラリーマン』の中でも、多くの人にオススメなのは「インフルエンサー型」副業よりも、自分の専門性を活かして稼ぐ「ディレクター型」副業、と書かれていましたよね。
サラタメ:そうなんです。
「インフルエンサー型」副業は収益ゼロの期間が長いですし、稼げたとしても、それが長続きするかどうかわからない。
私も、副業が報酬を生むまでに約2年かかって、その間、なかなかしんどかったです(苦笑)。
――影響力で稼ぐ、ということは多くの人に見られるということでもありますから、心ないコメントでへこたれない精神力も必要ですよね。
サラタメ:もちろん、アンチに心をくじかれることもあります。
それでも続けられる覚悟がないと厳しいと思いますね。
さらに、今回挙げた3つはプラットフォームの成長に左右されやすいため、自分の努力が結果につながりにくいんです。
それこそYouTubeなんて、3、4年前には「今やるしかないでしょ!」と一番盛り上がっている時期で、エネルギーを投資すればするだけ、成長する可能性も高かった。
でも今、YouTuberも珍しくなくなってきて、コンテンツも飽和状態。
新規参入して稼ぐのはかなり厳しい状況になっていると思います。
――それでもYouTuberはワースト3位なんですね。
副業開始から本業の収入を超えるまで
サラタメ:はい。実は、1位の音声コンテンツ配信・2位のブロガーと、3位のYouTuber間には大きな開きがあると思っています。
というのも、音声コンテンツとブログは、どんどん拡散性が低くなってきているんです。
新規参入者が畑を育てるのに必要なのは、とにかく自分のコンテンツを知ってもらうこと。認知度を上げること。だからこそ、なるべく拡散されやすいプラットフォーム・メディアを選ぶべきなんです。
ブログは10年前ならばバズるものの代表格と言える存在だった。
でも2022年のインターネットで、ブログをバズらせるってかなり難しいと思うんですよ。
――たしかに。ここ数年、見かけなくなりましたね。
サラタメ:でしょう? 1位の音声コンテンツも同じです。
プラットフォームでは「Voicy」などが有名ですが、基本的に音声コンテンツは「閉じられたメディア」という性質がある。
すでに多くのファンを獲得している人が、その影響力を長持ちさせる、よりコアなファン構築を目指すために参入するのはいいかもしれませんが、副業初心者が「ここから」はじめて稼ぐ、というのはかなり難しいと思います。
とにかくこの2つは、「インフルエンサー型なのにバズらない」という地獄のような特徴があるので、あまりオススメできませんね。
実は私も、副業をはじめたばかりの頃は、初期投資が低いブログから挑戦したんですよ。それで、転職系ブログや投資系ブログもやってみたけど、挫折してつぶしてしまって。
――本の中にも年表が書かれていましたが、驚きました。本当にいろいろ試行錯誤されたんだなと。
サラタメ:残念ながら、一発目のビジネスで副業初心者が成功するケースは、ほとんどありません。試行錯誤の連続です。
だからこそ、「明確な目標」と「時間の余裕」は必須。
サラリーマンの場合、フリーランスと違ってすべての時間を使えるわけではありませんから、「じっくり地味に育てる」ことを前提に戦略を立て、時間を確保しないと続きません。
「みんながやっているから」という理由で安易に参入先を決めるのではなく、多角的に自分のスキルや適性を観察して決められるといいですね。
副業初心者が「これさえ読めばできる!」と自信を持てるようにと、この5年で培ってきた「サラリーマン副業」の技術はすべてこの本にアウトプットしているので、ぜひ参考にしていただけたら嬉しいです。
(本原稿は、話題沸騰のサラタメ著『真の「安定」を手に入れる シン・サラリーマン──名著300冊から導き出した人生100年時代の攻略法』の内容をもとに、新たに著者がインタビューを受けたものです)