短期金利を現在の水準に維持し、インフレの勢いが収まらなければ短期金利の引き上げをちらつかせる。これが現在の米連邦準備制度理事会(FRB)の政策だ。問題なのは、金利を設定するのはもはやFRBではないということだ。債券市場がそれを行う。  FRBは5月3日より後に短期の政策金利の誘導目標を0.25ポイントしか引き上げていない。しかし、家計や企業、政府にとって最も重要な金利は、米国債10年物によって設定される。その金利は今年春以降に1.5ポイント近く上昇しており、過去1カ月間では約0.75ポイント上昇した。