熊本県・山梨県・栃木県
3県の評価が上昇している理由

 さらに、評価が堅調に上昇している注目の都道府県を見てみよう。

 18位の熊本県(26.3点)は、今年8月に発表された「都道府県『幸福度』ランキング2023」において3位となった。その影響もあり、県民からの評価が上がっていると推測できる。

「熊本城の観覧の再開や熊本県山都町にある通潤橋(つうじゅんきょう)が国宝に指定されたこと、観光客が増えたことが評価につながっている」と田中社長。

 また、山梨県が前年27位から21位(24.5点)へと大きく順位を伸ばしている。全国的に観光意欲度が高まり、インバウンドが復活したことで、富士登山客が増加。富士山5合目の登山口には外国人も多く、賑わいを見せている。

 富士スバルラインLRT(次世代型路面電車)の構想が話題を呼び、魅力につながっているとも考えられる。その他にも、地域資源に対する評価において、「自然が豊か」というイメージが前年8位から5位に上昇した。

 栃木県は前年40位から39位(18.3点)にワンランクアップしている。田中社長は、「8月に開業した『宇都宮葉がライトレール線』の影響が大きいといえる。LRTの開通は、予想をはるかに超える乗車率を誇り話題だ。ただし、関東圏以外ではほとんど知られておらず、今後認知されることで訪れる人も多くなるだろう」と予測した。

 2023年は全国的に前年よりも観光に対する評価が高かった。アフターコロナを機に、今後の評価にどのような影響を与えるのか――。これからも「都道府県魅力度ランキング」から目が離せない。

(フリーライター 西嶋治美)