社外取バブル2025最新版 「10850人」の全序列#5Photo:123RF

引く手あまたの社外取締役。その厚遇ぶりがうかがえる、何よりの指標は報酬金額だ。そこで、ダイヤモンド編集部は、社外取10850人の総報酬額を実名ランキングにすることを試みた。特集『社外取バブル2025最新版 「10850人」の全序列』の#5では、前編として上位5180人の実名と兼務社数、推計報酬額の合計を明らかにする。トップの金額は9621万円に上った。(ダイヤモンド編集部編集委員 清水理裕)

トップ30の平均報酬は5927万円!
3社以上を渡り歩き「ぬれ手で粟」の社外取も

 コーポレートガバナンス(企業統治)改革の進展を追い風に、社外取締役は上場企業から争奪戦の的となっている。中でも、複数企業のポストを兼ねることで“ぬれ手で粟”さながらの高報酬を得るケースが目立ち始めた。

 だが、株主にとって気掛かりなのは、その巨額報酬に見合う働きぶりかどうかだ。1億円以上を受け取る役員しか個別開示が義務付けられていない現行の制度では、社外取の報酬実態はなお厚いベールに包まれている。

 そこでダイヤモンド編集部は、有価証券報告書のデータを基に、社外取一人一人の推計報酬額を算出。複数社を兼務する場合は全社分を合算し、実際に受け取る金額に近い数値を導き出した。対象は上場約3900社、社外取10850人。その全員を「報酬額」で完全序列化した実名ランキングを公開する。

 上位30人の平均推計報酬額は5927万円、兼務社数は平均3.3社だった。首位は1億円に迫り、2位でも8000万円超である。官僚OB、財閥系商社の元トップ、大学教授ら多様な顔触れがトップ10に名を連ねている。

 次ページでは、報酬額上位5180人を一覧で掲載。兼務社数と推計報酬額を併記した。あなたの投資先で高給取りの社外取は、本当に仕事をしているのか。ぜひランキングを手掛かりに、その実力を見極めてほしい。