ハマスのイスラエル攻撃、日本企業が直面する「重大リスク」とは?イスラエルのテルアビブで、パレスチナ派による攻撃のため海外からのフライトが多数キャンセルされた後、イスラエル唯一の国際空港であるベングリオン空港の出発ロビーで待つ人々=10月8日 Photo:Anadolu Agency/gettyimages

イスラエルに進出する
日本企業の現状

 パレスチナ・ガザ地区を実効支配するイスラム組織ハマスが10月7日、イスラエルに向けて数千発のロケット弾を発射して以降、双方の間で戦闘が激化している。

 ハマスは陸海空から攻勢を仕掛け、境界付近で開催されていた野外コンサート会場などを襲撃し、260人あまりが犠牲となった。また、人々を無差別に人質としてガザ地区に連行し、その中には欧米諸国など20カ国あまりの外国人が含まれ、ハマスはイスラエル軍が地上侵攻すれば人質を1人ずつ殺害すると警告している。

 イスラエル軍はガザ地区への空爆を強化し、これまでのところ双方の間で2000人以上が犠牲となっており、今後さらに数が増えることが懸念される。

 ハマスによる今回の攻撃規模は過去に比べて圧倒的なもので、イスラエル側の死者数も年間多くて二桁台だったものが、今回は1200人以上と際立っている。極右のネタニヤフ政権がさらに厳しい姿勢に出るのは必至で、今後問題が長期化する恐れがある。

 帝国データバンクによると、イスラエルに進出する日本企業の数は92社で、そのうち39社が最大都市テルアビブに拠点を置いているという。筆者自身が全企業の動向を把握しているわけではないが、進出企業、またこれから進出を計画している企業、出張者を送ろうとする企業などから、いくつかの問い合わせがあった。