魅力度の点数が低下したのは北海道だけではない。今回の特徴として、魅力度をはじめ主要な調査項目の平均点は前年度と比較して低下する傾向が見られた。
ブランド総合研究所の田中章雄社長は、2015年から地域創生が始まったことで本調査にも影響があったという。
「創生期(地方創生の取組みとして、特に若年層に浸透)には、地域に憧れを抱き、住みたいと思う若者が増えているというイメージがつくられた。そして、コロナ禍になると、地方移住やリモートワークが普及し、地方に移住する人も多くなった。
また、地域おこし協力隊の影響も大きく“地方を活性化しよう”という動きが出てきた。しかし、アフターコロナを迎えた2023年にはそのような風潮がなくなり、現実感が広まり始めた。これらの要因が、魅力度の全体的な低下につながったのではないだろうか」(田中社長)
今年の最下位はどこ?
注目される佐賀県の順位
では、下位の都道府県はどうなっているのか。
前年47位の佐賀県は46位(13.8点)となり、最下位から脱出した。
一方で最下位となってしまったのは前年46位の茨城県(13.7点)で、佐賀県と入れ替わるかたちとなった。次いで、45位が埼玉県(15.8点)、44位が群馬県(16.3点)、42位は同率で山口県・徳島県(16.6点)と続く。
47位に立ち戻る結果となった茨城県だが、「とても魅力的」と回答した人が4.9%でとなり、前年の4.4%より も増えている。
田中社長は「関東居住者からの評価は悪くはなく、茨城県に対して『ぜひ行ってみたい』と回答した人が関東では15%、九州は5.1%、中四国では7.2%だった。西日本に魅力が伝わり切れていないのではないか」と見解を示す。
2023年は全国的に前年よりも観光に対する評価が高かった。アフターコロナを機に、今後の評価にどのような影響を与えるのか――。今後も「都道府県魅力度ランキング」から目が離せない。
(フリーライター 西嶋治美)