ついに日本人を抜き始めた
中国人プロフェッショナルの年収
2010年も10%程度の経済成長が予測されている中国市場。そんな中国で、日系企業が事業を拡大する上で欠かせないのが、中国人経営幹部や中国人プロフェッショナルだ。
実は彼らの年収が、ここ数年ウナギ登りで上昇しているのを、ご存知だろうか。
たとえば、技術系、人事系、財務系の専門職だと、年収100万元(≒1350万円 ※1元=13.5円換算)以上、営業トップや総経理(現地法人社長)のポジションであれば、年収200万元(≒2700万円)以上もらう中国人も少なくない。
すでに日本人駐在員を超える給与を提示しないと、優秀な中国人プロフェッショナルを雇えない時代に入っているのだ。
さらに給与以外にも、運転手付きの高級車や、高級住宅などが提供される場合もある。「日系企業が現地法人の総経理候補に100万元以上の年収を提示したが、オファーを断られた」といった話も、最近よく聞くようになった。
やっとの思いで実力のある中国人プロフェッショナルを採用したとしても、まだ油断はできない。優秀な人材であればあるほど、競合企業が1.5~2倍の年収で、引き抜きにかかるからだ。
今まさに中国では、「札束で顔を叩きながら」の高級人材争奪戦が繰り広げられているのだ。
しかし、なぜここまで人材争奪戦が過熱しているのか? 世界中の企業が、ラストリゾートである中国市場で熾烈な争いを繰り広げているのはわかる。だが、そこまでして人材を取りあう必要があるのだろうか?そんなことをしたら、給与相場を上昇させるだけで、結果として全ての企業が損をすることになるのではないか?