中国人女性に人気の日系バックブランド「Why」。しかし、Whyを日系バッグブランドと認識している中国人女性は少ない。近年、中国人消費者は、品質の良さを見抜く目を持ち始めている。したがって消費財ブランドにとって、日本製であることは有利に働く。ところが、Whyは日本ブランドであることを前面に出さずに品質の高さをアピールすることに成功し、値引き販売をしないで着実に販売数を伸ばしている。日系企業にとっての、中国での消費財商売のセオリーをことごとく覆す、Whyの戦略に迫った。

今年で中国販売開始から20年
販売当時から価格帯は変わらず

――幅広い年代の中国人女性に人気を博している「Why」とは、どんなブランドか教えていただけますか?

石原敏行・上海壽東包袋有限公司総経理

 Whyは、弊社会長の石原一三が1966年に日本で立ち上げたブランド創設47年のバックブランドです。馬具である鐙(あぶみ)と馬銜(はみ)をモチーフにしたHARNESSプリントを中心にしたトラッドな商品を中心に販売しています。

 中国への進出も比較的早く、1978年にモノ作りと販売(百貨店中心)の拠点として香港に進出し、1993年には上海の伊勢丹に1号店を出店しています。中国本土での販売は今年でちょうど20周年。中国では老舗のバックブランドです。

 おかげさまでWhyブランドのバックを長年ご愛用いただいている50代の女性から、その娘さんの世代まで幅広い中国人女性からの支持をいただいています。主要商品の価格帯は、1993年の中国進出当時から今まで変わらず1000~2000元。進出当時はこの価格帯のバックを購入できるのは富裕層だけでしたが、今現在は購買力のついてきた中間層が主なターゲットとなっています。