偏差値35から東大合格を果たした現役東大生の西岡壱誠氏によると、頭がいい人の「ノートやメモの取り方」には共通点があり、それを真似することで、誰でも質のいいインプットやアウトプットができるようになるといいます。
本記事では、1000人以上の東大生のノートを分析した結果をまとめた『「思考」が整う東大ノート。』の著者である西岡氏に「頭がいい人がシャーペンでメモを取らない理由」について話を聞きました。
シャーペンを使わない方が、頭が良くなる?
みなさんは、何かを書くときにシャーペンを使いますか? それともボールペンを使いますか?
おそらく、多くの人はノートやメモを取るときにシャーペンを使うことでしょう。シャーペンであれば、消しゴムで消すことができるので、間違って書いてしまったところや書き損じがあっても修正することができます。
それに対してボールペンは、間違いや書き損じがあったら消すことができません。修正テープや修正液を使わないといけないので、手間がかかります。ですからメモやノートは基本、シャーペンで取る人が多いと思います。
しかし、東大生の中には、「高校時代ずっとボールペンでメモを取っていた」という人が一定数います。彼らいわく、「シャーペンを使わない方が、頭が良くなる」のだそうです。
これは一体、どういうことなのでしょうか?
ボールペンの学習効果
結論から言うと、ボールペンは、「簡単に消せない」からこそ、学習効果があるのです。
たとえば数学で考えてみましょう。
途中まで計算を進めていて、間違いに気付いたとき、シャーペンを使っていたらその計算をすべて消してしまいますよね。しかしこれ、とんでもなくもったいない行為なのです。
あとからノートを見返したときに、どこで自分が間違えたのか、どうして間違えてしまったのかがわからなくなってしまうからです。
他の科目でも同様です。たとえば「偏在」と書くべきところを「遍在」と書いてしまったら、「自分はここで間違えやすいんだな」ということがわかりますよね。
「自分が間違えたポイント」は重要な情報
シャーペンを使うということは、「間違ったところを消す」ということですが、「自分が間違ったポイント」というのは、実はとても重要な情報なのです。
ボールペンを使う習慣があると、間違えた部分を消さないので、どこで間違えたのかがわかります。それに、消しゴムでいちいち消す時間を取られないので、時間の短縮にもなります。その上、「間違えたら消しゴムで消すことができない」という緊張感の中で文字を書くことになるので、シャーペンを使うときよりも集中して手を動かすことになるのです。ボールペンを使うことにはこんなにメリットがあるのです。
とはいえ、慣れないとミスが怖くて上手に文字を書くことができなかったり、書き損じが気になってしまったりして、使い勝手は悪いと思います。しかしその段階を乗り越えて慣れることができるのであれば、大きな学習効果が期待できるわけですね。みなさんぜひ参考にしてみてください。