「頭がごちゃごちゃして、うまくまとまらない」「何かとすぐ忘れてしまう」……。仕事や勉強をするなかで、そんな悩みを抱えている人は多いのではないでしょうか?
1000人以上の東大生のノートを分析してきた現役東大生の西岡壱誠氏によると、それらは「ノート」で解決できるといいます。
東大生は、「あとから見返す目的」でノートを取りません。ノートは、授業後に情報を整理し、理解するために取っています。そのような取り方をしているから、東大生は頭がよく、逆に言えばノートの取り方次第でだれでも頭がいい人になれるのです。
本記事では、『「思考」が整う東大ノート。』の著者である西岡氏に「頭がいい人が使っているノートの秘密」について話を聞きました。
東大生のノートによく出現する記号とは?
「東大生のノートによく出現する記号がある」と言ったら、みなさんはどんな記号を想像するでしょうか? 僕は東大生のノートを年間100人分以上集めているのですが、その中で「この記号がよく使われているな」というものがあります。なにも、特殊で難しい記号ではありません。
答えは、「→」です。
情報と情報の因果関係を、「→」で結ぶのです。
例えば教科書で「日露戦争の講和条約であるポーツマス条約の内容が不服だった結果、日比谷焼き討ち事件が発生した」と語られていたとします。このとき、ノートには「ポーツマス条約→日比谷焼き討ち事件」と記載するのです。2つの情報を繋いで、因果関係や順番を整理するようにノートを取るのです。
点ではなく線で記憶する
なぜ、東大生はこのようなノートの取り方をするのか? それは、点ではなく線で記憶できるようにするためです。
例えば「ポーツマス条約はこういう条約」「日比谷焼き討ちはこういう事件」と、別々の情報として整理しているうちは、「2つ」の情報を覚える必要がありますよね。
バラバラの情報として、「点」で暗記している状態になります。しかし、「ポーツマス条約でロシアから賠償金が得られなかった結果、これを不服とした国民によって日比谷焼き討ちが起こった」と覚えると、2つだった情報が「1つ」になりますよね。
「→」で2つの情報を結びつけることで、覚えるべき分量が減るのです。
覚えるべき情報を「節約」する
これを、3つ以上の情報を整理する際にも使っていけば、かなりの覚えるべき情報を「節約」することができるようになるわけです。このように、複数の情報を線で繋いで、1つの情報として暗記することができるようになると、人は記憶しやすくなるのです。