副業コンサルタントとして、主宰の副業・起業スクールで多くの副業家を輩出・支援してきた下釜創氏は、「一生後悔しない副業の始め方、選び方、続け方」があると言う。下釜氏のはじめての書籍『やりたいことは「副業」で実現しなさい』では、「あなたのなかにすでにあるスキル、眠っているスキルを活かした副業」を目指そうと説く。本連載では、話題の書の中から具体的なスキル、考え方を紹介していく。今回は、「普通の主婦がフォトグラファーとして副業を成功させた理由」についてです。
「自分なんて初心者」という人にもスキルはある
以前の連載でも紹介しましたが、「自分なんて初心者」だとか、「一応できるけど、もっと上手な人がいる」といった人たちも、まったくスキルのない方に対しては十分にスキルを提供できます。この状況を、私は「スキルギャップ」と名付けています。
ネイティブには笑われるレベルの英語力でも、アルファベットを習い始めたばかりの小学生よりもずいぶんスキルがあります。ネイティブ並みに英語がペラペラでないと、英語というスキルが役に立たないわけではないのです。
“平凡な”家庭の主婦はなぜフォトグラファーの副業に成功したのか
ここで、私が最近実感したスキルギャップの話をしましょう。
先日雑誌の取材で撮ってもらった女性フォトグラファーの写真がとても素敵でした。
彼女に撮ってもらった写真はナチュラルで親しみやすい雰囲気が出ていたのです。
撮影の合間に雑談を交わしているうちに、彼女は数年前まで“平凡な”家庭の主婦だったことがわかりました。
夫からの一言が副業を始めたきっかけ
彼女は、子どもの成長記録や手料理の写真をスマホで撮っているうちに、子どもから「お母さんの写真、大好き!」と褒められたり、ママ友から「写真、上手ですね~。どうやったら、そんなにうまく撮れるの?」などと聞かれたりする機会が増えました。
夫が「ママの写真、仕事になるかもしれないよ」と言ってくれたのが決定打となり、副業としてフォトグラファーを始める気になったそうです。
「写真を撮るのは小さい頃から好きでしたが、カメラを専門的に学んだことはありませんでしたから、仕事になるとはこれっぽっちも思っていませんでした」と彼女。
これぞ、スキルギャップがスキルエンサー副業を生んだ典型例だと思います(以前の連載でご紹介しましたが、スキルエンサー副業とは、あなたのなかにすでにあるスキル、眠っているスキルを活かした副業。誰にでも始められる副業のことです)。
頭一つだけでも抜きんでたスキルがあればいい
フォトグラファーというと、専門的な技術と表現力を備えた人だけがなれるものという先入観があります。
でも、元“平凡な”家庭の主婦のフォトグラファーのように、そこまでの技術や表現力がなくてもスキルエンサー副業にできます。
スマホさえあればいつでも誰でも写真が撮れる時代ですが、誰もが毎度上手に撮れるわけではありません。彼女のように、頭一つだけでも抜きん出るスキルがあれば、スキルギャップによって副業として成立するのです。
(本記事は、『やりたいことは「副業」で実現しなさい』より、一部を抜粋・編集したものです)