ネット証券が有力候補!

NISAは「税金ゼロ(=非課税)」で株の売買ができる超オトクな制度。大注目を浴びています。でもどこで始めればいいのか? そんな疑問に、あの優待名人・桐谷さんがお答えします。『一番売れてる月刊マネー誌ZAiと作った桐谷さんの株入門改訂版』から再構成してお届けします。

最重要なのは手数料! 投資信託の数や海外株もチェック

一にも二にも手数料が安いこと! それが何より大事です!」。桐谷さんが力説するのが、株を売買する時、金融機関に支払う手数料です。

「主なネット証券はNISA口座での取引に手数料が一切かかりません。この傾向はしばらく続くでしょう」と桐谷さん。

 対面中心の大手証券は、数千円以上するところが多い一方で、代表的なネット証券は、NISA口座の日本株の取引手数料が0円!

 ただ、ネット証券での手数料競争は激化していて、手数料だけだとどこも横並び。そこで口座を選ぶ際にはもうひとつ、扱う投資商品も見ておきましょう。

 NISAは日本株以外に、投資信託や海外株式も対象となります。この先、他の商品に投資したくなった時でも、扱う商品が多ければ安心です。 

 注意が必要なのは投資信託です。株は、どの証券会社でもほぼ同じものが買えますが投資信託は違います。扱っている商品が、証券会社によって大きく異なるのです。

 自分が買いたい投資信託が決まっている人は、その証券会社で取扱いがあるか、見ておいたほうがいいでしょう。まだ特にないなら、取扱数が多いほうがベター。1000本以上あれば安心です。

 また、海外株に興味があるならどの国の株が買えるのかも確認をしておきましょう。米国株なら大体どこでも買えますが、それ以外の国は扱いに差があります。

NISA口座を開く証券会社の変更もできる

 もちろん途中で、NISA口座を持つ証券会社を変えることができます。

 現時点ですでにNISAを始めている人も、24年から新制度に代わるタイミングで、証券会社の変更を検討してもいいでしょう。

 ポイントは、「1年間(1~12月区切り)は同じ会社の口座を使い続けること」です。

 A社にNISA口座を持っていて、B社に変えたいとします。A社のNISA口座で、年内に1度でも株を買っていたら、B社に口座を開けるのは翌年以降、また変更届が出せるのはその年の10月からです。

 一方、A社での取引がゼロなら、思い立った時にすぐ、変更届が出せます。

 ちなみにA社で買った株はそのままA社で持ち続けることになります。売るタイミングは自由です。ただしB社に移管はできません。

※本稿は、桐谷広人、ダイヤモンド・ザイ編集部編『一番売れてる月刊マネー誌ZAiと作った桐谷さんの株入門改訂版』(ダイヤモンド社)から再構成したものです。

桐谷広人
1949年10月15日、広島県竹原市生まれ。365日株主優待と配当で生計を立てる投資家。プロ棋士七段。バブル絶頂期の1984年に株を始め、バブル崩壊やITバブル、リーマンショックなど相場の浮き沈みを経験。資産は5億円目前。近著に『一番売れてる月刊マネー誌ザイと作った桐谷さんの株入門改訂版』『一番売れてる月刊マネー誌ザイと作った桐谷さんの米国株入門』の2冊が好評発売中。