NISAは「税金ゼロ(=非課税)」で株の売買ができる超オトクな制度。2024年1月から始まる新NISAは現行のNISAに比べると格段に使いやすくなることもあって、大注目を浴びています。あの優待名人・桐谷さんも「使わなきゃ大損!」と断言する新NISAのどこがスゴイのか。『一番売れてる月刊マネー誌ZAiと作った桐谷さんの株入門改訂版』から再構成してお届けします。
桐谷さんが大注目の新NISA、3つのポイントで解説!
桐谷さん曰く「株を始めようと思うなら、とにかく…、絶対…、NISA口座を開くべきです!」
日本株一筋40年、まさに山あり谷あり。株の怖さも楽しさも存分に経験した桐谷さん。リーマンショックで大損してから、優待+配当で生計を立てることを決意。そこから資産は順調に増え、今や資産5億円目前!
そんな桐谷さんが大注目の新NISA。どこがスゴイのか、3つのポイントに分けて解説します。
【スゴイ1】使える総額が最大1800万円まで拡大!
新NISAでは、非課税で投資できる金額の上限(=枠)が大幅に増えました。
まず、使える総額が最大1800万円に。従来は、株なら600万円、投信つみたてなら800万円だったので、2~3倍の拡充です。これが生涯の「非課税枠」です。
ただし、非課税枠の使い方にはルールがあり、「投資先」と「年額の上限」が決められています。
まず投資先は、「成長投資枠」と「つみたて投資枠」の2つに分けられています。ざっくり言うと、「成長投資枠」が株などの売買、「つみたて投資枠」が投信つみたてです。の投資先ごとに、非課税の枠が決められているのです。
先ほど非課税枠は最大1800万円と説明しましたが、株の投資だけなら、最大の投資額は1200万円となります。
次に1年間で投資できる額には上限があります。株だけなら最大240万円、つみたて投資だけなら最大120万円で、計360万円が、1年の最大枠となります。
【スゴイ2】売っても枠が復活して一生使える!
2つめにスゴイのは、非課税枠が生涯にわたって使えることです。
18歳から亡くなるまでの間、与えられた枠は好きに使えます。従来、株は5年間しか運用できなかったため、長期運用派の桐谷さんには使いづらいものでした。これからは、その不便さが解消されます。
投資枠が復活するのも画期的です。10万円の株を買い、その後利益が出たので売ったとします。すると10万円分、非課税枠が復活します。その枠を生かして、新たに別の株を買うことができます。
【スゴイ3】税金がタダ!利益に数十万円の差がつく!
まず株や投信など、投資にかかる税金には大きく2種類あります。年に1~2回もらえる「配当」「分配金」への税金と、売買で得る「利益(譲渡益)」への税金です。
NISAではこの2種類の税金が両方タダ、つまり非課税になります。
たとえば、100万円で配当利回り5%の株を買って、20年で売ったとします。
この場合、何もしなくても毎年配当5万円が企業から支払われます。20年間なら計100万円です。しかし通常の口座で取引をすると、配当金に対して約20%の税金がかかります。つまり受取れるのは毎年約4万円、20年なら約80万円です。
一方NISAなら、5万円が丸々受取れるのです(配当金を証券会社で受取る「株式数比例配分方式」にしている場合)。20年間なら、手取りの差は20万円以上になります。
次に株を売った時の「利益」です。これにも、儲かった金額に対して約20%の税金がかかります。
100万円で買った株が2倍の200万円になったとしますこの場合、利益は100万円です。
通常の口座なら20万円強が差引かれ、利益は80万円弱しか残りません。しかしNISAなら、丸々100万円が手に入ります。ここでも利益に20万円以上の差がつくわけです。
つまり、配当と売買の利益を合わせると、NISAで取引するかしないかで、40万円以上の差がつくことになります。
いかがですか? 長期運用が基本であることを考えれば、投資がうまくいけばいくほどオトク度はアップします。いい銘柄を選んで、新NISAを十二分に活用したいですね。
※本稿は、桐谷広人、ダイヤモンド・ザイ編集部編『一番売れてる月刊マネー誌ZAiと作った桐谷さんの株入門改訂版』(ダイヤモンド社)から再構成したものです。
1949年10月15日、広島県竹原市生まれ。365日株主優待と配当で生計を立てる投資家。プロ棋士七段。バブル絶頂期の1984年に株を始め、バブル崩壊やITバブル、リーマンショックなど相場の浮き沈みを経験。資産は5億円目前。近著に『一番売れてる月刊マネー誌ザイと作った桐谷さんの株入門改訂版』『一番売れてる月刊マネー誌ザイと作った桐谷さんの米国株入門』の2冊が好評発売中。