10月26日、円相場は、150円台後半まで値下がりし今年最安値をマークした10月26日、円相場は、150円台後半まで値下がりし今年最安値をマークした Photo:EPA=JIJI

ハマスのイスラエル攻撃
中東情勢が突然悪化

 パレスチナ・ガザ地区を実効支配しているイスラム系武装組織ハマスが10月7日、イスラエルを攻撃したことを契機に中東の地政学リスクが一気に高まった。同日にイスラエルは報復措置としてガザ地区への空爆を実施し、地上侵攻の準備を進めている。

 現在のところ米国をはじめ国際社会の外交努力もあって、イスラエルは地上侵攻を遅らせている模様だ。しかしイスラエルが地上侵攻を開始する場合、ハマスを支援してきたイランが軍事関与を強めたり、ホルムズ海峡を封鎖するリスクが想起される可能性がある。また、レバノンを拠点とする親イランのイスラム系武装組織ヒズボラが、イスラエル北部への攻撃拡大するなど戦火拡大リスクも懸念されている。

為替市場への影響経路
リスクオフと原油高

 中東情勢の悪化が為替市場に影響を与える経路しては、一般にリスクオフ局面への転換と原油高の2つが考えられる。

 投資家のリスク選好度が低下しリスクオフ局面になると、リスクオン時に低金利のため売られやすい円やフランなど経常黒字国通貨が買い戻されて上昇する一方、高金利のために買われやすい新興国や資源国通貨が売られ下落する傾向がある。こうした反応が強く出るには、世界経済が大幅に悪化する必要がある。