自分自身で作り上げる

 ライダー・キャロル氏:「私はいつもみなさんに、バレットジャーナルを自分自身のものにつくりあげてくださいとお伝えしています。自分にとって何がうまくいくかということを見いだして、自分自身の独自のスタイルにしてください。

 ただ問題なのが、バレットジャーナルのシステムがどう機能するか理解しないままにカスタマイズしてしまう点です。ノートブックに絵を描けば、それをもってバレットジャーナルということではありません。バレットジャーナルは複雑だという印象を持たれる方もいますが、自分にとって最も理にかなっているところから始めてください」

 バレットジャーナルは、考えを端的にまとめる「ラピットロッキング」や、効率よく整理するための「コレクション」などのモジュールがあり、組み合わせて使います。

『バレットジャーナル 人生を変えるノート術』では、そうした使い方がわかりやすく書かれています。例えば、バレットジャーナルに「体調が悪い」と記載したあとに、なぜ体調が悪いのか、睡眠ログや体調管理のページをつくることで原因を探るという方法も紹介しています。

バレットジャーナルが続かなかった私が、発案者ライダー・キャロル氏から直接聞いた3つのアドバイス【書籍オンライン編集部セレクション】バレットジャーナルに使っている「ロイヒトトゥルム1917レッドドット」と、ライダー・キャロル氏のサイン

 ライダー・キャロル氏の言葉は、「強制」するものは何1つなく「こういう方法論もありますよ」と、すべてのユーザーに「寄り添ってくれる」ことが新鮮で、とてもありがたく感じました。

 私はインタビューのあと早速ノートを買い、「そもそもなぜバレットジャーナルをつけるのか?」という、頭の中のもやもやしたものをノートにぶつけてみました。

 混沌とした頭の中を書き出す行為がとても面白く、様々な「なぜ」という疑問と、それを解決するにはどうすればいいのかを考えました。すると、バレットジャーナルをつけることで、自分自身の「PDCA」サイクルを回すことができるのだと実感しました。

 デジタルや情報の海にのまれやすい現代こそ、本書を読んで自分の好きなノートとペンを選び、自分自身と向き合う時間を増やしてみてはいかがでしょうか?

 日常生活では、携帯電話やPCを使う時間がどんどん増えていて、私も徐々にノートをつける時間が減っていると感じています。私だけではなく社会全体でも、デジタルの情報から得られる莫大なインプット量に対して、個々のアウトプットのバランスが崩れていっているように思います。

 そんな時代だからこそ、ノートをつけることでデジタルの情報を遮断し、自分自身の考えに集中する時間を設けることが大切なのだと改めて実感しました。